『ウォーク・ドント・ラン  村上龍VS村上春樹』


1981年の村上龍さんと村上春樹さんの対談。

こんなに興奮しながら読んだ対談は、初めてかもしれない。

そして、龍さん、春樹さんと同じ時代に生まれてよかった、と、つくづく思った。

今もお二人が小説を書いていることも嬉しいし、もう読んでいて最高に幸せだった。





〜堕落の定義というのは、自分にとって、たやすいことをやる人は堕落する••••••


龍さんらしいなー。



龍さんの「コインロッカー・ベイビーズ」を読んだ春樹さんが、すぐに龍さんに電話したっていう話、なんか、めっちゃ好き。

春樹さんの感想が、

一気に読んだ読み終えたあと2,3日、おもしろかったな、と。ある種のショック、空気の壁のような何かにぶつかったみたい

っていう表現が、めちゃくちゃ共感した。

そう、龍さんの小説って、空気の壁にぶつかるんよ、春樹さん、わたしもそう思う。



また、幼児が積木で遊ぶとき最後にボーンと蹴とばすっていうのが龍さんが好きだったって話とからめて、

破壊衝動というのは、思想とかそういうものじゃなくて幼児の積み木遊びみたいなものっていうくだりが、なんだか腑に落ちた。

『オールド・テロリスト』でもそうだなーと。破壊思想がテーマでないというのは、なんとなく納得。

積み木遊びでも、砂場でトンネル作ったときでも、子供の時って壊す時が一番楽しかったなーという感覚を思い出した。




お二人さんの長編小説は、一気に読んでしまうことが多い。

春樹さんは吸い込まれるような感覚になり、

龍さんは苦しくなっていったん本を閉じるのに、続きが気になって、結局、一気に読む。


いやー、ほんと、偉大な小説家です。

最高です。