先日写真だけ載せましたが

「知遊」という本を読むことが出来ました。

 

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この本は年に2回(1月と7月) 日医文化総研というNPO法人から発刊されていて

「今日の医療を取り巻く文化状況を 幅広い視点からとらえること を目的として」発行されているそうです。

その趣旨から、いわゆる広告は一切載っておらず全60ページ、全てが読み応えある読み物です。

著名な有識者の方々が編集委員に名を連ね、本当に様々な分野の記事で構成されています。

私が読んだこの号でも

「魔女の宅急便」の作者の角野栄子さんのインタビューが冒頭にあるかと思うと

モディリアーニの絵についてのエピソードがあったり古文書の話、動物行動学の話、そして医療機器の開発秘話・・・と

本当に多岐にわたった分野の記事で、全部大変勉強になったし、面白かった。

(それにしても・・・最近「魔女の宅急便」がやけに記憶に触れてくるのは、どういうご縁があるのでしょう・・・蜷川さん、そして、角野さん・・・それらは全部、私の中で森くんに繋がっていくんだけどね・笑)

 

俳優である仲代達矢さんも、この「知遊」の編集委員のお1人だということ、私は今回初めて知りました。

 

 

元々は児玉清さんが編集委員を務めていらしたそうですが

 

お亡くなりになった後に少し号を開けて、仲代さんへ引き継がれたようです。

きっと「芸能」という分野の第一人者としての依頼だったのでしょうね。

 

仲代さんは「仲代達矢の無名塾へようこそ」と題されたページで

 

ご自分が主催されている「無名塾」という俳優養成所の稽古場にゲストを招いて

俳優を目指す若い塾生たちが聞き入る前で、対談を行うという形式のインタビューのページを持っておられます。

そこに今回招かれたのが、SMAP 香取慎吾さんでした。

 

*慎吾の前の号のゲストは萩本欽一さん。そして次は渡辺謙さん、という何ともバラエティーに富んだ顔ぶれのゲストラインナップですね・・・

 

 

この「知遊」は一般書店では販売されておらず

 

在庫があれば希望者にネット頒布が可能ということで、申し込んで手に入れることが出来ましたが

現在は既に売り切れだそうです。

担当者さん、注文が殺到して驚かれたようです・・・香取人気、おそるべしにこ

 

売り切れ直前に手に入った私は本当にラッキーでした。

 

 

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この対談、昨年の秋に行われたようですが

慎吾のいで立ち・・・金髪にショッキングピンクのジャケット。という華やかさも手伝って

あきらかにこの本の中で、この特集だけ、異彩を放っています(笑)

他の号は読んでないので推測ですが

多分、欽ちゃんであっても、世界のケン・ワタナベであっても、対談が本になった時ってホストである仲代さんのトーンと調和してこの「知遊」の世界に入りこんでると思うんだけど

慎吾はね・・・決してなじんでないわけじゃないのに、そこからまるで3Dのように立ち上がってくるインパクトが凄い、と思った。

彼の語る言葉や写真から、読む側に与えるものがね・・・物凄い立体的だな、と。

 

おそらく、SMAPというグループが、そうなんだろうなぁと、思います。

 

個々であっても、全員であっても

どこにいても異彩を放ち、でも決して悪目立ちはしない。華やかで立体的で、そして意志のある存在。

私にはそう思えて仕方ない。ひいき目かもしれないけれど・・・

 

だから、SMAPってやっぱりすごい。

 

 

と、改めて感じました。

 

 

 

そして、私がどうしてもこの本を読みたかった理由。

 

 

それは

慎吾がこの対談の中で 「森くんのこと」 に触れている部分がある

と聞いたからです。

 

前から何度も言っていますが

 

慎吾が、公で森くんのことを口にするのは本当に、貴重。

森くんがSMAPを去ってからの20年でメンバーが「森」と口にした回数は、おそらく、慎吾が一番少ないのではないかな?と思うぐらい・・・公的な場所で彼は森くんについて語らなかった。

(あのNHK「プロフェッショナル」ですら、慎吾だけは森くん脱退について何も話していない←あくまでオンエア上ね)

 

なので、ほんの少しでも慎吾が森くんのことを語っているというなら、それを知ることが出来るなら

 

ぜひ読んでみたいと思ったんです。

 

 

読めてよかった。

 

 

 

 

私の感想はそれに尽きます。

 

 

 

 

この対談企画が行われたのが、昨年の秋・・・ということですが

 

 

写真の慎吾の髪色から、おそらくは昨年の9月22日にテレビ朝日でオンエアされた

テレ朝SMAPバラエティ部スマシプ!【全然ゆるくないバスの旅~秋の3時間SP】

を撮影した頃と同時期の対談かと思われます。

 

昨年ブログでも感想を書きましたが

 

あの番組(スマシプ)で慎吾は、中居君をも動揺させるような唐突な切り口でレーサーになろうとしていた森くん」の話をブッこんでいます(笑)

それから間を置かず、テレビ誌の単独インタビューでも 「6人で焼き肉を食べて、帰るタクシーの中で『これが最後なんだ』と思って寂しかった」

と、SMAPが6人から5人になった瞬間の心情も口にしています。

参照 ⇒ 2015.10.25 「語り始めた下2人」

 

テレビや芸能誌だけではなくて、芸能とは関係のないこういう人目につきにくいコアな本の中でも

 

あの時期、慎吾は森くんに思いを馳せていた・・・

なんだかね

その事実だけで、ちょっと泣きそうです。

 

1月以降の一連の騒動。

 

その騒ぎの芽は昨年の夏から秋にかけて、もう出始めていた・・・とメンバーと親しい芸人さん数人が口にしていましたね(「業界の中で秋頃からそういう噂を耳にしていた」と)

もしも、それが本当だとしたら

あの頃慎吾は一体どんな心境で、こんなにも立て続けに、森くんの名前を口にしていたのでしょう・・・

 

本当のことなんて、私にわかるはずもないけれど

 

「今にして思えば」と振り返り、色々なことを複合的に結び付けていったら

慎吾の気持ちを想像して、涙が溢れそうです涙 (あくまで、個人的な見解)

 

全部で13ページもあるボリュームたっぷりの仲代さんとの対談。

 

その中で、慎吾が森くんに関して触れているのはわずか12行ほど・・・

でも、その12行で、それこそ96年当時の慎吾の気持ちが3Dのように目の前に現れたかのように感じました。

そして、当時の状況だけではなくて、「今」慎吾が、森くんのことをどんな風に思っているのか・・・

それについても、実に端的に、こちらに伝わってきて

胸が熱くなりました。

 

森くんについて語る慎吾の言葉を読めたことももちろん嬉しかったけど

 

この対談記事、本当に読み応えがあって

映画や舞台で「演じる」ことについて語る俳優香取慎吾の内面が覗けたり

SMAPというグループの辿ってきた道、そしてメンバーとの関係性についても触れられているし

彼ら5人、6人が「核」として持っている思いは一体何だったのか・・・

大げさかもしれないけれど、仲代さんとの対談で慎吾はそこまで掘り下げて語っているように感じました。

 

本当に、すごく貴重なインタビューです。

 

 

対談の流れを説明すると

 

 

元々、仲代さんと慎吾の関係は、スマスマで初対面。その後慎吾主演の映画「座頭市 THE LAST」で初共演(仲代さんは対立する敵役) それから数年後にまた「人類資金」で再共演。

 

共演して「役者・香取慎吾」の大ファンになった、という仲代さんのオファーでこの企画が実現したそうです。

本当ですか!すっごい嬉しいです!

って喜ぶ慎吾が微笑ましい・・・

仲代さんは、座頭市を撮影する前に10ヶ月間も殺陣の稽古をした慎吾の努力をすごく評価されていて、殺陣だけでも大変なのに「盲人」の役になるための役作りも素晴らしかった、と。

二人を出会わせてくれた阪本監督を、お互いとってもリスペクトしている様子も、お話しの中でよく伝わってきます。

 

*参考までに、その昔「座頭市」の試写会に行ったレポはこちら↓

 

 

 

 

そして、仲代さんが自分の殺陣(対談ではチャンバラと称されてます)の稽古をするために自宅の庭に立てた小屋が、俳優養成の「無名塾」に発展していったそう。

 

「芸術的野望のもとに創立したわけではなくて、自然発生した集団」

っていう仲代さんの言葉が、印象的・・・

そして、その話の流れで仲代さんから

 

「香取君は11歳で芸能界に入ったんでしょ?結成当時からSMAPは同じメンバーなの?」

 

 

という問いかけがあり

 

慎吾が、森くんのことを口にしました。

 

この部分、引用させていただきます(NPO法人・日医文化総研発行『知遊 第25号』32頁~33頁 引用)

 

 

香取

 

「もう1人いました。森且行くんというメンバーが。

彼にはオートレーサーになりたいという夢があって、SMAP結成から8年目くらいでしたか、その夢の実現のために脱退したんです。

打ち明けられたときは、みんなして「えーっ!ショックだよ!一緒にやっていこうよ!」って引き止めようとしたんですけれど、森くんの強い覚悟を知って、応援する気持ちになりました。

いまでも彼はオートレーサーとして走っています」

仲代 「それでSMAPは5人になったんだね」

 

仲代さん・・・よくぞ、このお話を彼に尋ねてくださいました・・・

そして、それに対して、素直にあの頃の気持ちを語ってくれた慎吾に、涙・・ただ、涙です涙

ショックだった。

一緒にやっていきたかった。

引き止めようとした。

でも、出来なかった・・・

昨年私は「森くんが辞めると知った時下の2人って、自分の本当の気持ちをぶつけることが出来たのかな?」とブログの中で書きました。

今ようやく、その答えが聞けたような気がします・・・

 

本当は引き止めたかったんだね、慎吾。

 

だけど

森くんが本当に好きなことで、中途半端な気持ちじゃないって、側にいたあなたは誰よりもそれを知っていたから・・・(試験勉強も見てたぐらい、近くにいたから)

応援しよう、と思ってくれたんだね。

 

今、明るく「えーっ!ショックだよ!一緒にやっていこうよ!」って思った。と言えるようになったことに

 

あなたの心の変化と、あれからそれだけ長い年月が流れたんだなぁということを感じます。

 

森くん最後のスマスマで、号泣する中居君と、とっさに司会を引き取り訥々と話を繋ごうとしていた木村君の傍らで

 

必死に涙をこらえながらマイクを握って立っていた、19歳の慎吾の姿が・・・脳裏に浮かんできます。

 

引き止めたくて、でも、彼の夢を応援したくて皆で送り出した、6人目のメンバー森且行。

 

 

「いまでも彼はオートレーサーとして走っています」

 

 

最後のこの言葉で、慎吾がどれほど森くんを誇りに思っているのかが伝わってきました。

 

芸能界という浮き沈みの激しい世界では、ジャニーズに限らず、何かのきっかけで所属していたグループを抜けたり芸能界そのものを辞めてしまう人も沢山います。

 

辞める時は「やりたいことが他に出来たから」とかいう理由をつけている人も

結局のところ、その「やりたいこと」をコロコロと変えて、最後は何やってるのか意味不明な人も多いですよね(そういう人ほど、「あの人は今」的な番組に出るし)

そうかと思えば、辞めたはずの芸能界に、いつの間にかしれっと戻ってきてる人もいる。

芸能人のそんな変遷を山ほど見てきたであろう慎吾が

「いまでも」森くんは、初志貫徹。あの時「夢」と定めた道で、ブレることなく走り続けている。そう、20年間ずっと。

それがどれほど稀有で、誇らしいことか・・・

慎吾は胸を張りたい気持ちなんじゃないかな・・と感じました。

 

森くんは27時間テレビの手紙で、立派になった慎吾に「すごいな」って言葉を贈ったけれど

 

きっと慎吾も森くんのこと「すごいね」って思っている・・・それがこの「いまでも彼は」っていう言葉なのかなと思えてなりません。

はー泣けるわ涙

 

そして、あぁ、慎吾はちゃんと森くんのレースを、戦いを見ていてくれるんだな・・・ということも、この「オートレーサーとして走っている」から感じました。

 

中居君はスポーツ新聞愛読してるからいわずもがなだけど(笑)

最近は吾郎ちゃんもTwitterで?森くんのレース結果知ってるんじゃあるまいか。と思えることが多かった・・・

だったら慎吾も、いえ、木村君だって剛だって、つまりSMAP全員!

ちゃんと森くんの走りを見守っていてくれるんだと、また改めて確信しました。

そんな話、今更言うまでもないですか?

だって、そうじゃなきゃ、09年1月の生放送で「森、GⅠ初制覇おめでとう!」って言わないか・・・笑

 

でもね、それを改めて慎吾から感じられたことが何よりも嬉しい。

 

 

森くんの方も、いつかのインタビューで

 

「メンバーは今でもずっと見ていてくれると思う」と語っていました。

何なんでしょうね。この揺るぎない絆・・・

胸がいっぱいになります。

 

森くんに触れたお話のあとは

 

華々しくデビュー出来なかったSMAPのエピソードを仲代さんに語り

「いま」も相変わらず必死ですから。と笑う慎吾・・・

仲代さんから見たSMAPは

「典型的なアイドルとは違う個性がある。いい意味でお互いに影響を与えすぎていない」

と感じると。
苦労した時期があるから、SMAPは長く支持されるグループになった、と評価してくださってる。

慎吾は

オーディションに落ちたりバラエティで怒られたりする中で感じた

「緊張感や恐怖感は昔と変わらずに抱え込んでいる」と語っています。

 

仲代さんは

 

ここまで熟してくると解散してソロになるという選択肢もあると思うけど・・・SMAPって仲いいの?

と、

これ、今なら絶対ムリな禁断のゾーンまで踏み込まれているんで焦るわ(苦笑)汗 

慎吾はそれに「プライベートで一緒にご飯に行ったりすることはない。でも、草彅剛との関係は別」って言ってます。

 

慎吾は

 

「みんなとの間に一定の距離を保ちながらも根っこの部分ではいい関係を築けているかなと感じる。

なかなか売れなかった悔しい思いをみんなで共有していて、いまだにそれぞれの中にその記憶を封印していない」

と語っています。

それこそが、SMAPを形作る「核」なのかな・・・と私はこのインタビューで感じました。

それから、「褒め言葉を信用しない」っていう話も、ありました。そこもSMAPらしい(笑)

 

そして、何とも意味深なのが

 

そういう経験をしてきた自分達だから、どこかで「いつ終わってもいい」と思ってるところがあるような気がする。

「もともとおれたちエリートじゃなかったんだから」と・・・

「いつ終わってもいいくらい、今を一所懸命生きて、いまこの瞬間に本気で向き合いたい」

と語っている部分です。

 

・・・・・

 

 

何と解釈すればいいのか。正直少し戸惑いますが・・

 

でもそれはあの騒動があって、こちらがSMAPを見る目が変わってしまったから、なのかもしれません。

 

彼らがずっと前からそういうスタンスでお仕事に向き合っていることは、ファンならわかっていますもんね。

 

未来でもなく過去でもなく

「今」に向き合い誠心誠意、自分に課されたことをやり遂げる姿勢は、きっとずっと変わらないはず・・・

だからこそ、彼らは「国民的」と呼ばれるグループになったんだと私は思っています。

 

そしてこのインタビューを読んでつくづく感じたことは

 

やっぱり

彼らが自発的に今の状態になるわけがない!

という確信でした。

 

 

このインタビューは慎吾を取り上げていますが

 

 

SMAPに対する思いは

メンバーの誰に聞いても、きっとほとんど変わらなかったと思う。

 

エリートからはずれ、なにくそと思いながら、それでも互いを思いやって20数年一緒に歩んできた人達が

 

ちょっとやそっとのことで、マスコミや事務所の言ってるような状態になるわけない!

と、改めて思えたことは本当によかったです。

 

そういう意味でも大変貴重な対談でした。

 

本当に、読めてよかった。

 

 

この企画に香取慎吾さんを招いてくださった仲代達矢さんと「知遊」編集部の皆さんに、心からお礼申し上げます。

 

 

 

 

そして、森くん。

 

 

慎吾が見てるよ。「オートレーサーとして走る」あなたを。

明後日からの浜松、ぜひ勝って慎吾を、そしてメンバー皆を励ましてあげてほしい・・・

慎吾の言葉を読んで涙が溢れる中で、私はそう思いましたうる~ん

勝つことで、あなたにしか送れないエールを、今の5人に届けてあげてほしいです。

 

これからもがんばりましょう。

 

5人と1人。

そして、私達ファンも。

 

みんな、みんなで!

 

がんばりましょう!!!パーーーンチ!