「グループのカッコよさというのは、前に出るだけではなく、だれか一人が出たときに、ほかのメンバーがスッと引く瞬間だと僕は思う」
これは月刊広告批評(2002年10月号)の中で特集された「広告SMAP」の中で
SMAPと仕事をしたクリエイターの方々が彼らを語る頁で、中島哲也氏(CMディレクター)がSMAPを評している言葉です。
「ダンスで言えば、前面でソロをとっていた人が、編成が変わって背後のダンサーが前に出た瞬間、スッと引く。
SMAPの五人はその感じをちゃんとわかってできているのが、カッコいい理由だと思う」
(マドラ出版 「月刊広告批評」 No.264 より引用)
ダンスに限らず、歌、バラエティ、ひいては個人のお芝居でも、「その感じ」が絶妙なバランスで出来上がっているのがSMAPだと私も常々思っているので
中島氏のこの言葉を読んだ時、なるほどなぁ~と思ったものです。
そしてこれは、彼らの芸能活動に限ったことではなくて
6人目のメンバー森且行に対しても、やっぱりそうなのかな?と感じるようになりました。
最近になって
SMAPの「下2人」 しんつよ、草彅剛と香取慎吾が、立て続けに「森くんのこと」を口にするようになりました。
発端は、先月のブログでも書きましたがテレ朝の「スマシプ」
↓
2015.9.23 「彼らは偶然と必然で出来ている」
この中で、本当に珍しく慎吾が自分から「森くんがレーサーになる勉強をしていた」という話を出し
剛は、番組の最後で「Beetle」という曲を披露し「5人のことを思って作った」と言い
何なの、この展開!
と全6スマファンの胸を熱くさせましたが・・・
どうやら、彼ら2人の中では、あれだけではまだ言い足りなかったのか・・・?
その後も、それぞれが違った場所、違った媒体で
6人だったSMAPへの思いを口にしています。
TVガイド10/16号 スペシャルドラマ「一千兆円の身代金」にちなんで
「明と暗」についてのインタビューで
慎吾
「SMAPの明暗を分けたのは、やっぱり5人になった時かな・・・。
最後にみんなで焼き肉を食べに行って。
食事中は楽しかったけど、1人1人タクシーに乗って帰る時が寂しさMAXで。
「これが最後なんだ」と思った瞬間でしたね」
(東京ニュース通信社 「TVガイド」10/16号より引用)
フジテレビ 「僕らの音楽」ビートルズ特集
エンディングで
リリーフランキーさんが「ビートルズは世界を魔法にかけた、と言われるけれどビートルズの魔法に一番かかっていたのは彼ら自身。4人でいたことで能力以上のものが発揮できた」
と語ったことに対して
剛
「僕らも、僕らがSMAPの魔法にかかっているのかもしれない。なんか、そんな気がする。
5人、6人いて、お互い1人じゃ出来ない(化学)反応が起きて、やってきてるのかもしれない」
月刊ザテレビジョン12月号 連載エッセイ「お気楽大好き!」の中で
剛
「【スマシプ】の中で自作の歌を披露できて幸せだった。
出来る範囲で流れを作るうちに歌詞もできてきて。
‘5人’のことを思い浮かべて書きました。
「いつも僕の隣にいてくれてる」というのはもちろんメンバーのことだし
「地球の裏でもどこでも笑って」というところは森(且行)くんかな。全く違う世界に行っちゃったけど活躍してるでしょ。
遠いところへ行ってても一緒につながってるみたいな気持ちはあるし。
あと僕は夢とかあんまりないんだけど、でも夢があるってやっぱりすてきなことなんじゃないかなって、そんな気持ちも書いて・・・」
(株式会社KADOKAWA 「月刊ザテレビジョン12月号より引用)
ちょっと
一体どうしちゃったのでしょう。
こんなに短期間の間に、この2人から森くんのこと、6人のSMAPに対する思いが次々と出てくるなんて
それこそ、5人になってから初めてではないでしょうか・・・
数年前(私がブログを始めた2009年頃)から6人を取り巻く風が変わり始めたなぁとは思っていましたが・・・
これは、本当に、本格的に、変わってきているのだ、と改めて実感しました。
しんつよ2人の言葉には、それぐらい重みがあると思うのです。
5人のメンバーの中で、公の場で森くんの名前を口にして話題を提供する回数が圧倒的に多いのは、言うまでもなく中居君。
彼の森くんに対する深い友情、そして6人で出発したSMAPへのこの上ない愛情は、今更ここで説明するまでもないですよね・・・
最近はことあるごとに森くんの名前を出している印象すらあります。先日のバラエティ「神センス・塩センス」でもかなり長い時間をさいて、森くん脱退の経緯と、それは解散の危機だった、ってことまで語ってネットニュースになってましたが(苦笑)
彼の場合MCという立場で番組を仕切ることが多いので、勢い、ウケると踏めば躊躇なく森くんの話題を出してるきらいもありますので(笑)その分回数が多くなりますよね。
(そこには、どうネタにしても森なら笑って許してくれる、という揺ぎない信頼もあると想像しています)
木村君の場合も、回数こそ中居君には及ばないかもですが
ごく普通の話の流れで、6人時代の話をする時は必ず『6人』と言いますし、森くんの名前もちょくちょく出してます。
それはすごく自然体で、気負ってない。
でも、何て言うんだろ・・・
ここぞ、という所でバーン!と森且行の名前をぶっこんで、大きなインパクトを残し皆の度肝を抜くその勝負勘(ていうのか?)の凄さには恐れ入ります。
それこそ、2009年1月生放送のテレ朝「SMAPがんばりますっ!」に於ける
「一番の見せ場の森のハイキックが映ってない!」発言や「GⅠ初制覇、おめでとう!」が、まさにそれかと(笑)
もちろん、2010年のツアーDVD収録日のMCで「今、森が来てる」という東京ドームを揺るがす発言をしたことも、そう。
さすが、木村拓哉。というしかない。
で、同じ中間管理職であり、同級生の吾郎ちゃんは
彼もまた、ごくごくナチュラルに森くんの名前や思い出を口にしてる気がします。
感性のおもむくまま・・とでも言いましょうか
え、ここでその話に繋げるの?と、こちらがビックリするような時に、不意に森くんの名前出るよね(笑)
古谷一行さんとドラマで共演した時に「昔、メンバーの森くんと共演したこと、覚えてますか?」って話をした。とか
吾郎ちゃんのメンバーカラーはピンクなの?青なの?
ってファンがやきもきしてる問いに
「森くんに敬意を表して、僕のカラーはこれからは白で!」と、はぁ!?って思うような発言があったり
ソロプロジェクトの&GでMステに出た時にタモリさんと話す合間に
「森くん、見てる?」と突然カメラに手を振ったり、と。
きっと森くんは、吾郎ちゃんの「そういうところが吾郎ちゃんらしくて、すごく好き」(by27時間テレビの手紙)なんだろうな、と思えます。
そんな年上の3人とは少し違って
剛や慎吾は、森くんについてそんなに多くは語っていない気がしていました。
とはいえ、剛はまだ慎吾に比べたら森くんのことを話題にしてるかな?
昨年、同じエッセイ「お気楽大好き!」の中でも、名言を残していますしね。 → 2014.6.25 「どこにいてもSMAP いまだにSMAP」
テレビでも散発的に「森くん」と口にすることは見受けられました。
だけど、慎吾はねぇ・・・・・
あえて、避けているのかな?というぐらい、カメラの回っている所や、インタビューの場では森くんを語ることはなかったですよね。
それが、ここにきて、急に。
今までそれがなかった分、慎吾の口から出る6人時代の話は、本当にずっしりと重いです。
内容も、また・・・
森くんが辞める直前の姿・・・レーサーを目指している努力を間近で見ていたんだろうな、と想像できるエピソードや
6人で最後に食事して、それぞれが分かれていった瞬間の心境を「寂しさMAX」だった、と言ってしまう
何とも切なくていじらしい話・・・
最後の焼肉の話は、吾郎ちゃんもNHK「プロフェッショナル」の中で優しい表情で語っていたし
森くん自身も昨年の手紙の中で「強烈に覚えています。あれが6人で最後のSMAP」
と書いていたように、本当に全員にとって大切な思い出の時間なんでしょうね。
その寂しくて哀しい、でも大切な別れの瞬間の気持ちを
今、慎吾がやっと口にするようになったことに、涙が出そうです。
森くんがSMAPを去る、と決まった時
残された5人には、それぞれに色々な思いがあったはずですが
森くんよりも年上の2人は、説得であったり後押ししたり、と自分なりの考えを森くん自身に伝えていただろうし
吾郎ちゃんは同級生ならではの、つかず離れずの距離で彼の気持ちに寄り添っていたのかなぁ~と想像できるけど
下の2人って・・・・どうだったのかな?
しんつよにとって、森くんの存在は「よく泣かされた」ちょっと怖い兄貴で
でも一緒にダイヤルQ2でふざけてたような、オトナの遊び(苦笑)も教えてくれるチョイ悪な兄貴でもあり
何事にも真っ直ぐで一本気なところは、心から頼れる兄貴だったのかな?と思えるけど
そんなカツ兄ぃに
当時、年下だった2人が自分の本当の気持ちをぶつけることって・・・出来たのかな?
森くんが真剣に勉強している姿を見ていた慎吾。
いつも同じタクシーで帰りながら色んな話をしていた剛。
弟分として誰よりも森くんの傍にいた2人だからこそ
逆に、何も言うことは出来なかったのかもしれないなぁと思えます。
6人最後の仕事、焼肉を食べる前に収録したラジオ 「STOP THE SMAP」
その中で、5人はそれぞれ森くんにはなむけの言葉を送っているのですが
剛の言葉は
「多分・・・森くんがSMAP辞めちゃったら、もう二度と会わないんだろうなぁと思う。僕は」と
えっ!何を言い出すんだ!?と皆がギョッとするような言葉から始まっています。
皆、苦笑いしか出来ない状況・・・
何ていうか、ホント、自由な5歳児全開で(苦笑)
その後は
「森くんは森くん。僕は僕で、それぞれが選んだ人生でひるむことなく立ち向かおう」
と、何だかよくわからないような締め方で(爆)
「お前、校長先生みたいな贈る言葉だな~」と、中居君や木村君に言われてます。
かたや慎吾は
「正直言って、寂しいですよ。でも僕は森くんとはずーっとお友達でいると思うから、だからまた遊んだりは出来ると思う。
SMAPとしては寂しいけど、中途半端な気持ちなら嫌だけど、森くん、本当に(オートが)好きで、その話をしてるだけで嬉しそうで・・・ホントの気持ちでそうするって決めたことなら・・・木村君も言ってたように、やるからには、ちゃんと一等賞になってほしい」
これで最後じゃないから。これからも友達だから、と自分に言い聞かせるような口調で、森くんにエールを送っています。
この時の2人の心の内を想像すると胸が痛いです。
この日から19年。
「もう二度と会わないと思う」と言った剛は、森くんを思って歌を作り、遠くにいても一緒に繋がっている気持ちだと語り
「やるからには、ちゃんと一等賞に」とハッパかけた慎吾は
6人が分かれて帰る瞬間、とても寂しかった。これが最後なんだ、と思った。と当時の心境を振り返るようになりました。
冒頭の、中島氏の言葉を借りれば
森且行という6人目のメンバーに対する思いって
誰か1人が突出しているのではなくて、1人が口にすると他のメンバーが黙ってそれを聞き、また違うシチュエーションになると違うメンバーが口にする、という
まるでダンスのフォーメーションのように、無意識のうちにそれぞれが前に出たり引いたりしながら
ずっとずっと6人で繋がっているのかもしれないなぁ・・・・・
だからこそ、多くのファンの心に現在進行形で森くんの存在の大切さが届くのかもしれないね。
と、そんなことを感じる今日この頃です。
これほどまでに5人に大事に思われる森くんは、本当に幸せな人だと思います。
あと5日後には、あなたの夢への挑戦「SG日本選手権」が始まります。
剛の作った歌
「僕らの夢はきっと叶うだろう」を現実にして、堂々と5人に会いに行けますように。
今は、そのことだけを祈りたいです。
そうそう。
慎吾のインタビューの言葉
「SMAPの明暗を分けたのは、やっぱり5人になったときかな・・・」
ですが
2006年8月21日付けの「デイリースポーツ」のインタビュー記事では
中居正広さんが、こう言ってますよ。
Q. デビューして(当時)15年ですが、転機はありましたか?
「メンバーが1人いなくなったっていうのは大きな転機だったんじゃないですかね」
同じ、ですね。
メンバーの結婚よりも、謹慎よりも、何よりもSMAPにとって大きかったのは森且行の抜けたことだと、この2人は時も場所も違えど、同じように語っているのですね。
そりゃあ、森くんが抜ける時に
「解散しようか」って2人で相談するわけだ・・・泣けちゃうね。
SMAPって、ホントにホントに、愛すべきグループ だよね。