安田美沙子との約束
今、沖縄にいる。
四年半ぶりに沖縄に来たのは、ある作品のロケ。
実は四年半前に「マーメイドの季節」という作品の撮影で来た以来だ。
その作品は今をときめく安田美沙子のデビュー作。
前半戦がオーディション。
後半戦がそれを勝ち抜いた人たちによるショートフィルムの撮影。
しかし、そのショートフィルムには役は8つしかないのに、
沖縄に一緒に来た女優志願者は9人という企画ものだった。
その三ヶ月前。
京都の伊勢丹でスカウトされた女の子。
それが安田美沙子だった。
まだ京都から東京に来たばかりの安田に会い、
「マーメイドの季節」のオーディションに参加したら?と勧めた。
100人近くの女の子に会うその中に安田も参加することになり、
結局最終まで残り、沖縄入りした。
さて、オーディションでゲットできる役には様々なものがあり、
思いっきりヒロインから台詞一つのものまで。
「自分のやりたい、自分に合った役を二つ選んでいい」と言ったところ、
安田は負けず嫌いか、ヒロインと三番手を選んだ。
審査の結果、ヒロインにはまだ早すぎて、なんとド新人が三番手の役をつかんだ。
オーディションの最中は僕は彼女たちをいじめる側のプロデューサーを演じ、
慣れない厳しい台詞を覚えながら、毎日きつい言葉を浴びせかけていた。
ショートフィルムの撮影は台風の影響で日数が短縮になり、
安田にとっての初めての映画はものすごいハードスケジュールとなった。
東京に帰り、打ち上げの席でみんなに「ごめんなさい」と謝り、
酔いもあって 挙げ句の果てに安田に泣きながら謝っていたらしい。
騙すように演じて皆を泣かせた懺悔のように。
その後、安田は上京し、「京都弁も抜けないし、まずは紙(雑誌・グラビア等)を追求してみたら」と
アドバイスした。
その時に「お互いに一緒にやれるタイミングが来たら、ドラマ(映画)をやろう」と約束した。
安田が紙媒体を席巻し、京都弁も少しは抜け、
僕が映画のプロデューサーとしてやれるタイミング。
そして今、あの時と同じ沖縄でそのロケをやっている。
あの時と同じ悪天候。
そしてハードスケジュール。
しかし、お互いに少しは成長しているはず。
だから今こうして仕事での再会をしているのだから・・・。
作品は安田がこれまであまりやって来なかったジャンルに挑戦してもらっている。
ハードルが少し高すぎるかもしれないが、
彼女自身の今後へのきっかけの作品になれれば幸いだと思っている。
四年前「安田はいつまでも『白』のイメージでいろ」と言った憶えがある。
今回は作品の中で、そんな白い安田がどんな色を自身に映し出せるのか?
今月いっぱいまで撮影は続き、七月にはある形でお披露目になります。
お楽しみに。