「浮標」を観て思ったこと・・・もの作りと生きるということ
「しあわせのパン」がクランクアップして、帰京してから初の更新。
なんというか、日々が無駄に忙しく、ゆっくりとパソコンに向かえたのが今日になってしまった。
東京は雪。
今日は一日外出せず、家で過ごしました。
台本を2冊読み、締め切りをとうに過ぎた原稿の執筆に向かいました。
そして、今、ブログです。
アウトプットする日々が続き、インプットが必要だと感じた僕は、木曜日に吉祥寺シアターに
長塚圭史演出の「浮標」を観に行きました。
休憩中に偶然にも「しあわせのパン」の三島監督に遭遇。
四時間にもおよぶ舞台だったけれど、全く長さを感じさせない。
主演の田中哲司さんの演技と長塚圭史さんの圧倒的な演出で見せる見せる。
画家が結核を患った妻を2年間看病しているという設定で、
70年前の戯曲なのですが、
もの作りに携わる人間としては、田中哲司さんのセリフ一つ一つが心に飛び込んできて、
各幕で必ず、うるっと来てしまうほどでした。
書きたい絵を描かずに、生活のため、妻のために絵本を描いて暮らすこと。
それに対して、自分を言い聞かせていくようなセリフを言う主人公。
作りたいものを自分は作っているのだろうか?
と思ったりしてしまい・・・ちょっと心が痛い舞台でした。
しかし、一つ一つの作品に意味があると僕は純粋に思います。
例え、入り口が気が進まなかったり、スロースタートだったりしても、
結局はトータリティーで全力を尽くしているし、
自分自身のためになっているはずです。
舞台の主人公の絵描きも生活のために描く絵本の仕事から学ぶものはあったはず。
「生きるということに向かうこと。それは素晴らしいことだ」と彼は言っていました。
死に程近い妻を励まし、自分の考えやポリシーと葛藤しながら生きる主人公に、
僕はかなり感化されました。
ラストシーンの田中哲司さんの長セリフが凄く、圧倒されました。
田中さんとは、何本もお仕事をさせていただいてますが、
新しい田中哲司さんの魅力を見せつけられた舞台でした。
アット作品にたくさん出ていただいている中村ゆりさんも出演していらして、
「素晴らしいカンパニーに参加していますね」と思わず言ってしまいました。
頭をガーンとぶん殴られて、しばし放心状態の舞台に久しぶりに出会いました。
今、自分は作りたいものを作っているか?
常にもの作り人が自問することです。
僕は常に作品に自分なりのテーマを持って向かっていきます。
それがチャレンジしたいこととなって、それが作りたいものになるのかもしれません。
舞台「浮標」、ありがとうございました。