10月9日、仕事をして咸宜園へ。
研究室に直行して昨日の資料の続きを読む。
物書きっぽい行動をしている気がする。

豆田町へ移動。
「いた屋」の「あゆ飯」を食う。

身を「ほぐす」っていう作業が楽しい。

廣瀬淡窓の生家があった場所は「廣瀬資料館」になっている。

名実共に「うだつが上がって」いたようだ。

家業の「掛屋」を継いだのは弟の久兵衛。
今まであまり気にかけていなかったが、久兵衛は公益事業を複数手がけた大物だったらしい。
家族の物語がにわかに立ち上がってくる。

蔵の二階が大変優れた展示であった。
廣瀬家に残っていた古い道具が並び、音声ガイダンスが垂れ流しになっているのだけれど、その内容がわかりやすくて面白い。
展示品と解説を網羅した『廣瀬資料館図録』を迷わず購入。

図録を買う時、管理の方々と少し話す。
「両親とも日田の人間です」ということまではすんなりと伝えられるのだけれど、「淡窓の小説を書いています」という話がなんかモジモジとしてしまう。
小説を書いている、というのは、劇団をやっている、というのより、何となく、気恥ずかしいものがある。
より「職業っぽくない」からだろう。

管理の方がご親切に、廣瀬家の「両替」という業務について丁寧に解説してくれた。
時代劇や時代小説に「両替商」という言葉はよく出てくるけれど、それがなんで必要なのかはよくわかっていなかった。
当時の「銀」は、現代の「札」とは似て非なるものなのだった。

帰って図録を読み、仕事をして寝る。

10月10日、仕事をして「星隈公園」へ。
人っ子ひとりおらず、国道沿いなのに秘境の感。
大きなクモが我が物顔で巣を張り、地面には無造作にキノコが生えていた。

日田には星隈・月隈・日隈という三つの山（丘）がある。
一方、うきは市にも月岡古墳と日岡古墳がある。
そのあたりに何かコジツケ的なご縁を見出している僕なのである。

さて、昼は何を食おう……とフラフラして、結局また豆田町へ来てしまった。
紅葉の庭園の先にあるステキ蕎麦屋「麦屋」。

ご家族での経営のようで、就学前後ぐらいの娘さんが店員をしておられた。
かわいすぎワロタ。

そのあとまた咸宜園へ行き、本屋に寄って気まぐれにラノベをジャケ買い（失敗）し、帰って仕事をして寝た。

10月11日、この日も前2日と似たような動き。
朝は「日隈公園」（亀山公園という名の方が一般的）へ。
近くの小さな資料館（荒廃気味）で、気になるプリントを発掘。
淡窓の恩師・亀井南冥が淡窓の開塾祝いに送った屏風で密かに「倒幕」を促していたというのである。
なんとも加治◯一的な見方というか、ふつうに眉唾であろう……と思いながら一応写メ。
今度「廣瀬資料館」の人に訊いてみよう。

咸宜園近く、昨日行列ができていた「来々軒」で焼きそば。

個人的には「想夫恋」のより、これぐらいパリッパリの方が好き。

それから、いつも通り咸宜園の研究室へ。
管理の方々は「熱心な学生さんだな」と思っているかもしれない。
もう32なんですよ。
あせりがあります。

つづく。

大分旅行記 その6

大分旅行記その6