「勝者はいない」という作品。

面白！

こちらは「作品」ではない。

でもすごくいい雰囲気だった。

豊島の東の果てに『心臓音のアーカイブ』があった。
その名の通り、色んな人の心臓音が記録されていて、暗い部屋でそれを聴くというもの。
部屋の中央では音に合わせて光が明滅している。
僕は落ち着かない気分になって、自分の左胸を押さえた。

宿に戻り、自転車を返し、荷物を受け取る。
家浦港で切符を買い、売店の塩アイスを食べながら船の時間を待つ。
待合室にかわいい犬がいた。
寄ってきたので撫でた。
写真を撮ろうとしたら、切符売り場の奥に引っ込んでしまった。
この港で飼われている犬だったのだろうか。

直島行きの高速船「サンダーバード」。

速い速い。
白波を立てて瀬戸内海をざあああっと走り、30分もかからずに直島の宮浦港に着いた。

観光案内所でバッジを受け取る。
バスで「香川県直島環境センター」に向かう。
こちらは完全予約制である。

※豊島・直島共に、産廃関連私設の見学は要予約。
本当はもっと早くから予約しなければならないところ、僕は直前に電話をして、無理にねじ込んでいただいたのだった。
本当にすいません、ありがとうございました。

その日の見学も豊島に続いて僕一人。
案内の方はかなり熱を込めて説明してくださって、非常に面白かった。
知的好奇心が満たされる。

興味のある方は是非、豊島→直島の順で旅して、膨大な産業廃棄物がどうやって処理されているのか、辿ってみてほしい。
豊島の産廃は今年度中に掘り終えるというから、現場の様子を見られるのは今がラストチャンス。
観光パンフレットではあまり産廃関連施設の見学を推していないけれど、とにかくこの2つの島はアートばかりではないと強く申し上げたい。

お土産に「溶融スラグ」を貰った。

苦闘と技術の結晶である。

それから、宮浦港に戻ってきた。

つづく。

豊島・直島旅行記 その4

豊島・直島旅行記その4