豊岡市、兵庫県北部に位置するこの地域は、南からの山越えの暖かい空気によるフェーン現象で、

連日最高気温が体温並みの暑さを記録する。

 

巨樹マニアの山友と、この地域にある蘇武岳(標高1074m)・大杉山(1007m)に登ってきた。

 

スタート地点の万場スキー場の駐車場は、午前8時過ぎですでに厳しい残暑の日差しの中。

しかし、一旦登山道に入れば、木立で日差しが遮られ、谷筋を抜ける風が涼しい。


巨樹の谷コース、名前の通り先ずはウェルカムゲートであるカツラの双樹、夫婦カツラがが現れた。

 

立派な幹と大きな枝振り。スマートフォンのカメラではかなりの遠景でないと、フレームに収まりきれない。


さらに滑りそうな急坂を歩くと、静かな森に「カツラの親分」が斜面に張り付くように立っている。
周りを見渡してみると幹が7m以上ある「栃の大木」や雪の重さで根曲りした巨樹が林立している。

神秘的な空間だ。

下草は生えておらず、森全体が開けていて明るい。聞こえてくるのミンミン蜩と風の音。新緑の爽やかな頃とは違った濃い葉の色、しっかり生きている力強さが伺える。
 

森林帯を登り抜けた先の蘇武岳では360度の展望。

氷ノ山や鉢伏山、遠くには白山も。


大杉山、山頂過ぎにここでもなんらかの理由で伐採を逃れ、長年生き続けている杉の巨木と対面。

 

さらに自己責任のもと、正規の登山ルートではないバリエーションルートに下山。
途中には、雪の重さや木炭の材料のため若木の頃に枝が折れたり・切られたりされたブナの木が、その箇所を治癒する為に大きく瘤状になったり、広がるような枝振りになった奇形ブナ「あがりこぶな」の巨木が点在する。

「あがりこぶな」の樹姿の面白さは人の手と自然の生命力の融合も取れるのかな。

 

スキー場ゲレンデの脇にはススキの穂が出ていたが、下界はまだまだ暑い。