先週までは ドミニック・コーバイシス氏に完全に支配されていた 日本の証券市場だったが、 今週は、ドミニック氏から まるでバトンタッチされたかのように、別のファントム「D氏」の嵐が 「吹き荒れている」。 ドミニック氏の猛攻を「ドミニック・ストーム」と呼んだ前回投稿分が恥ずかしくなる程、D氏のオペレーションは 「強引且つ気まぐれ」。 ドミニック氏よりもはるかに排他的で、外部の連中の被害などは まるで眼中にない。まさに、「情け容赦なし」。


何しろ D氏のボラバイを察知してロング・ストラングルを取りにいった 都銀 は、まるで そのボラティリティ・バイイング・ラインだけは避ける ソフト があるかのごとく、しっかりと辛酸を舐めさせられました。 まるで 天高い所から見ているかのごとく、多くのロング・ストラングル・ラインの内側で、ただし劇的に変動を繰り返すのだ。

ファントムたち との対戦経験がない 都銀の新役員 の中には、 本当に、そのような、つまり今週話題の「WINNY」に似た、ソフト関係による情報流出の証拠を探していた…私は口もききたくなかった。 その上、説明している時間がない。ブローカーなんて どこの銀行でも証券でもいいのだから。


長らく 投資銀行 でディーリングをとってきた我々にとって、 このような複雑怪奇なオペレーションを、間違いなく大人数で (トリッキーな動きをマーケットの板勘定に逆らってあの回数、定期的且つ効果的に繰り返して作るには最低でも数百人の凄腕ディーラーが動いている計算になる)、寸分の乱れもなく精密に遂行する連中の腕とか神経というのは、 「何もするべきではない」という判断以外の何も 示唆しない。

その意味で我々は 94年の大虐殺 (世に言う「バレンタインデーの大虐殺」) の時のフィデリティ的であり、少なくとも都銀のように自滅的ではなかった。

有り得ない精密さで、ディールのあちらこちらで益出しクロスが行なわれ、シンガポールであれ、シカゴであれ、東京であれ、常にどんな時間であれ、有り得ない速度で ギアリングは拡大していった。 ターゲットが、たった数百兆円しかない日本株市場であるとは とても信じがたいほど、世界中で、あらゆるデリバティブが駆使され、彼らが動いた証拠は、 随所にマーキングされた。

そこはまさに肉食獣の「縄張り」!!

その場面で、いかなる資金をいかなる市場で投入しても 逆らうことは無駄な努力だと悟らせる目的のように、文字通り 「手を緩めずに」、敵(マーケットのすべての参加者)が入るたびに、細かく執拗に 虐殺は行なわれた。 「上昇するわけでも下落するわけでもない強力なオペレーション」という意味では、先週までのドミニック氏のショート・ストラングルにも似ていたが、さらに高度且つ緻密だった。 付き合っていられない。触らぬ神に何とやら、だ。


この歴史的なピラミッディングは、 94年に世界最強の「Gの騎士」が行なった有名な「バレンタインデーの大虐殺」に、実によく似ていた。ソロスのクォンタム・ファンドは当時、信じられないほどの被害を被り、この事件を一般世界にまで有名にした。

「Dの騎士たち」は今回、「Gの騎士たち」を意識していたのだろうか。

また逆に、「Gの騎士たち」は今回、「Dの騎士たち」の攻撃を、どのように見つめていたのだろう?


我々が(ロード・オブ・ザ・リングの主人公たちが恐れるナズグルのように)畏怖する 「Dの騎士たち」 は、特別に具体的な使命を与えられるとき、 D氏に、暴発を恐れて プロの殺し屋や刑事 が拳銃を横に向けるような 独特の形で指差されながら、使命を聞くのだと言う。

そしてD氏は、鮮やかなしぐさで騎士を指差しながら、 印象的な 「コトバ」 (D氏の言葉は暗号のように 投資銀行などでは「コトバ」とカタカナ表記される) を、投げかけるのだと言う。

今回、「D」は、次のようなコトバを 騎士たちに投げかけているのだという噂だ。


「手を緩めるな」。


しっしびれるーーー!! 「手を緩めるな」…私なら泣く。 人目をはばからずに泣く。

逆に、騎士たちが泣いていなかったら、あのように異常な、統率の中に いつでも変形できる発展性を覗かせるオペレーションが、可能な筈は無いのだ。 どんなに彼らがファントムだからといって、可能な筈は無い。 そのことは、今回ほど難易度の高いオペレーションなら、それなりに研鑽を積んでマーケットに取り組んできたディーラーなら、誰にでも分かる。

Dの騎士たちは、それぞれに与えられた使命を紐解き、皆伝書のように様々に解釈し、世界中にいるDの騎士たちとテレパシー的な暗号で結ばれているのだ。 だからこそ、難易度の高いオペレーションの最中に、変幻自在に角度を変えて、敵を切り裂くことが可能となる。

私を含め、今回避難に成功したディーラーは、恐怖と同様に、わくわくしたに違いない。勝手に「Dの騎士の一人」に成り切り、テレパシーを受けて緊急避難した、とは言えないだろうか?  言い過ぎだろうか。(単なる中立国への警告?) だが、そう感じたのは私だけでは ない筈だ。


財務省が朝方発表した前週1週間の対外・対内証券売買契約等をみると、海外勢は620億円の買い越し。その前の週は 2498億円の買い越しとなっており、外国人投資家の買いが急減。外資系証券経由の売買動向は今後売り越し観測。ブルームバーグ・プロフェッショナルによると、「米ダウ工業株30種平均の今期予想PER(株価収益率)は15.9倍、英FT100指数は13倍、独DAX指数が13.9倍。これらと比較して、日経平均株価は26.1倍となっており、相対的な割高感がある」と、説明するように言われているらしい。


そんなに簡単なら、学生や主婦がシステムトレードで数千億の利益を出せる。 恐らく今週市場を蹂躙したドミニック氏、ダンフォース氏(なんとPIMCO経由)、D氏、などに言わせれば、「うるせえ」(やや嘲笑しながら)といったところか。


薄商いで材料に乏しい中、株価指数先物6月限の価格が現物株価を下回る「逆ざや」状態も続いている。一般に株価に先高感があれば、先物価格は現物価格を上回るはずだが、3月は配当取りの季節要因から配当換算分だけ、先物価格が現物価格を下回るといわれる。「理論的に今は70円が配当分に相当する現物と先物の価格差。それ以上開けば裁定取引に影響されるとこになる」(日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長)というが、その「理論」とやらは、どなたの「理論」なのでしょうか?


経済学を「市場」が造るなどということは、94年に、我々は思い知ったではないか。


指標銘柄の10年物長期国債277回債の利回りが急上昇する場面では、「20年債の入札結果が市場予想を大幅に下回った影響」を指摘するように、アナリストは教育されているようだ。


じゃあなぜ、長期国債先物6月限の価格がそれを追い越すスピードで急落したりするのだろう? 「トリプル安」という経済学上有り得ない状況が、ファントムの攻撃前の「地ならし」的な常套手段となる中で、投資家は そんな説明に耳を貸すだろうか?


ジム・ロジャーズ? それ、誰でしたっけ? アナリストとか、ディーリングできないからアナリシスしているとしか、私は考えていません。 時代錯誤的で極道的な騎士道が、彼らを常人では近寄りがたいファントムに 仕立て上げているファクターなのですから、せめてアナリシスするなら、もっと心理学的で哲学的な、そして歴史学的なアナリシスで、彼らを量るべき ではないだろうか?


最近 関羽が人気ですが、関羽は 金儲けとか興味ないでしょうし。


それにしても、手が機関銃で足が刃物のファントム がいるときに、闘技場に入ってはいけませんから、ヒマです。 しばらくサイトに時間が割けます。


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