その日、葵は緊張していた。
高校受験の日だからだ。
やるだけの事はやったし、自身もある!でも緊張するのだ。
「あ、そういえばアレするの忘れてた!」
葵は机の引き出しからボロボロの紙切れを取り出し、それをジッとながめた。
こうすると何故か落ち着くのだ。
その紙切れは、昔葵が引っ越しした時に男の子の友達から餞別に貰ったものだ。
当時流行ったアニメのイラストと、電話番号付きのメッセージが書かれている。
「いつでも電話してこいよ、か・・・。」
最初は電話しようかと随分悩んだが、今ではもうそんな気にはならない。
ただ、あの頃少し気になってたあの男の子は今頃どうしているのかなっと
たまに考える位だった。
