上野の西洋美術館に保管されている

12世紀につくられたとルビーの

ヒストリックリング。

ミャンマーの中北部モゴックで

産出されたルビーだと思う。

(ひょっとしたら、ミャンマー産と

良く似たアフガニスタン産かも

知れないが...)

どちらにしろ12世紀に欧州へ

ミャンマー産か、アフガニスタン産

のルビーが伝わっていたことを

このリングが教えてくれる。

もちろんこの時代には、処理の

技術はないし、人工合成ルビーも

無く、天然無処理のものだが...

さて...

手に取って拝見してみて感じた

のは、今の時代ならジュエリーには、

特に指輪には使わない、低い品質だ

ということ。

良い悪いの話ではなく、その当時

やはり希少だった金を贅沢に

使って指輪にしており、宝石ルビー

というだけで充分お宝として扱わ

れたことが分かるし、文化的な

雰囲気を醸し出している。

どんな方が着けたのだろうか?

人工合成技術も人為的な処理を

して品質を改良する技術も

なかった頃。

ルビーのちょうど真ん中の

部分に「色むら」といい、赤く

ない白い部分があり、ルビーの

石全体の半分ぐらいに広がって

いる。

それが品質を低く判定せざる得ない

理由だが、その色むらを補って余り

ある魅力と多少品質が低くても

堂々と受け継がれるだけの

宝石ルビーの「格」を感じる。

ホンモノの宝石らしい。

それと比べて、人工的に合成された

モノや人為的に処理をして見た目を

改良したものは、こういう文化的

な感じがしないのは、そこに生きた人

の人生を感じないからなのか?