
17世紀のギメルリング。それぞれの上部に
ルビーとダイヤモンドが留められている、
結婚する時に男性から女性に贈られた
リングです。
今でいうとエンゲージメントリングです。
リングの内側にエナメルで人の赤ん坊を
表わすものと、ガイコツを表わす
デザインが使われています。
赤ん坊は、何となく分かりますが、
結婚する時に使うリングに、
なぜ骸骨が出て来るのでしょうか?
色々な説がありますが、
「死ぬまで」また「死んでも」、
「死が二人を分かつまで…」
などの意味があるようです。
おまけに、リアルな手のモチーフが
ハートを支えているデザイン、「手」は
約束を表わすのですが、
かわいいモチーフが多くなった
今の感覚で見たら、すこし極端な
感じがしますが、少なくとも、
これから結婚を申し込む
男性が、必死に自分の想いをこめて
女性に贈っている事を感じます。
結婚が、すこし軽いモノに
なっている風潮がある昨今、精一杯の
想いを表現してプロポーズしていた男性
の気持ちはいまも形として残っています。
ルビーは、ミャンマー(旧ビルマ)産の
特徴がありました。
この指輪は、橋本コレクションとして、
東京上野の西洋美術館に所蔵されて
います。