指輪88(淡交社)の本文に登場する
ルネッサンス期の結婚指輪ですが、
エナメルで描かれた、羽の生えた、
燃えるハートや勿忘草のもとで
硬く結ばれる手の模様、
また、リングの腕から肩にかけた
ハートを握る手のモチーフなど、
表現がストレートすぎるように感じます。
女性が考えるデザインとは思えませんが、
それもそのはず、このギメルリングは、
男性が、女性にプロポーズする瞬間まで
女性は、プロポーズもこのリングの事も
何も知りません。
男性が、この日の為に一生懸命に
彼女の友達などに好みを聞いたりして
情報収集した上で、自分の想いを形に
表現したのです。
すこし極端なモチーフをてんこ盛りした形
ですが、そういう事情がわかると、何となく
微笑ましく、また、この指輪の見え方が
変わってきます。
写真は、指輪88(淡交社)より引用。