
このルビーは、ミャンマー北部Nam-ya鉱山の
Sabaw鉱区より産出されたルビーのサンプルです。
宝石としての品質があまり高くないのですが、
研究には活躍するルビーです。
内包物の写真を撮ると…

インクルージョンがしっかりと観察できます。
ただ、このインクルージョンが一体何なのか?
結晶の形などから推測する事が多いのですが、
宝石学会で発表する時のデータを取るために
中央宝石研究所にて「ラマン分光器」で結晶
の種類を見て頂きました。

その結果この形の崩れた結晶は、カルサイト
だということが分かりました。
その隣には、アパタイトや今のところ分からない
結晶も見つかっています。
まずは、鉱区ごとの特徴があるかどうか?
そして、毎回のことですが、この後、加熱処理
をして温度/時間ごとの変化の記録を取って
行きたいと思います。
今後は、結晶の種類ごとの熱変化も見ていけると
思います。
…なぜ、そんなことをするのか?
というと、私たちジュエラーにとって、
自分たちが持つルビー宝石の特徴を
見分けられないと信用に関わるからです。
これは、モリス流のジュエラーとしての
トレーニングです。
ジュエラーが、
宝石は美しければイイ。
なんて言ったら… 大変です。
美しいかどうかは、お客様の方が良く
知っているでしょうから…。
パッと見て分かりにくいところが、
そして、普通の人だと見逃してしまう
ような細かいところが、
ぷろとしては、重要な事なのです。