アルコール依存症のために、飲酒をコントロールできなくなって、様々な飲酒問題が起きるようになったときには、飲酒をやめることがまず第一である。


 問題の原因が過度の飲酒であるからである。


 「一杯のつもりが腹一杯」と言って、飲み始めると、節度ある飲酒ができないのがアルコール依存症である。


 このことを認めたくない人は、飲酒の結果だけを良くしようとする。


 飲み過ぎが原因で、アルコール性の肝障害を起こした人がまずすべきことは、断酒である。


 それをやらないで、肝臓にいい食べ物はないかとか、ウコンやシジミはどうかとか、肝臓を治すことだけ考えるのである。


 こういうときは、私は、屋根が壊れて雨漏りがして畳がぬれて腐ってきたときに、畳替えをするようなものだという。


 畳替えをしても、畳がぬれる原因が治ってないので、畳はまた腐ってくるのである。


 畳の傷みをふさぐには、さきに屋根を直すべきである。


 問題の根本問題を解決することなく、そこから派生してきたことのみに対処していると、延々と同じ事を繰り返すことになる。


 こういうことは、アルコール依存症に限らずよくあることである。


 畳と屋根のたとえは、私の実体験であるが、これについては別の機会に語りたい。