今の俺は人としてハンデを背負っている。「デブ」というハンデだ。
今や誰が見ても「そうだな、デブだな」としか言いようがない体型になってしまった俺だが、昔は随分と痩せていた。
原宿に巣食うカラフルなもやし男たちがいるだろ?サブカルだかなんだかわけのわからない言葉をかかげて、小さいスケボーで誰の許可をとったのか公道をドヤ顔で少し走っては止まるあいつらだ。あいつらくらい痩せていた。
高校一年生くらいまではガリガリの名をほしいままにし、女子に「俺さ、食っても太らないんだぜw」と挑発する形で話しかけたりしていた。恥ずかしい過去だ。
俺の体型史の転機は高校二年生の冬だった。
野球部だった俺は、その小さくて細い身体をどうにかしなければチーム内の争いに勝つことができない窮地に立たされていた。
なんとかしなければならない。このままでは一生坊主の応援マンになってしまう。それだけは嫌だ。
だから俺は米を食った。米を食って食って食い散らかしたのだ。まるで家畜のように。
その結果身体は大きく重くなり、しっかりとした筋肉も付いた。部活内ヒエラルキーは相変わらず低かったが、個人として大分成長できた。
しかし一度ついた習慣は中々止まらない。
大食いによって広がった胃は縮まることを知らず、そのまま受験期、浪人期を迎えてしまった。(何を隠そう俺は高校三年の時の受験校に全て落ちてしまったのだ!)
みるみる内にアゴが消え、腹筋に入った線が消え、デベソだったヘソは肉にうもれ、腹が乳首より飛び出てしまった。
もう戻れない、そう、「デブ」だ。
デブという特徴は破滅的なまでに男性の魅力を消してしまう。
モテない。
だから俺は女という存在を憎む。
見事痩せ、女子アナが結婚してくれと土下座をしてくるその日まで。
PS
ミーハーな人間だから喉に違和感を感じるとすぐに「あ、逆流性食道炎だ」と思ってしまう
