今年も暑い夏が始まりました。

全国高校野球選手権大会もとい、一言で「甲子園」と呼んでますが。選手も監督も、応援するその家族も学校も地域も、一言では表せないほどの努力と研鑽の積み重ねがあの大会に集約されています。

そして毎年感動的なドラマが生まれ、全国を感動させています。

感動感動感動です。

努力ってなんだろう？

結果が報われないのはなぜ？

どんでん返しってなぜだ？

選手の力？監督の采配？応援力？

怪我やメンタル、関わる人の人生の背景が。。

おいっ！審判っ！？

風！！太陽が眩しいっ！！暑いっ！！

うおーーっ

と、毎年毎年、予測できない結果の連続にとても楽しませてもらっています。

昨年より春夏連覇の大阪桐蔭を差し置いて大阪代表で出場した履正社が、第1試合で5本のホームランを打って、鳥肌が立ちました。

今年も大阪優勝か！？

っと思っていても、結果がわからないのが甲子園の面白いところ。これからが非常に楽しみです。

ところで、

日本高等学校野球連盟が日本学生野球憲章というのを出しているのはご存知でしょうか？

その前文になりますが一部紹介します。

本憲章は、昭和21（1946）年の制定以来、その時々の新しい諸問題に対応すべく6回の改正を経て来たが、その間、前文は一貫して制定時の姿を維持してきた。

「学生たることの自覚を基礎とし、学生たることを忘れてはわれらの学生野球は成り立ち得ない。勤勉と規律とはつねにわれらと共にあり、怠惰と放縦とに対しては不断に警戒されなければならない。元来野球はスポーツとしてそれ自身意昧と価値とを持つであろう。しかし学生野球としてはそれに止まらず試合を通じてフェアの精神を体得する事、幸運にも驕らず悲運にも屈せぬ明朗強靭な情意を涵養する事、いかなる艱難をも凌ぎうる強靭な身体を鍛練する事、これこそ実にわれらの野球を導く理念でなければならない」

なぜ、この前文を紹介したかというと、

会社や団体には、理念というものがあります。

そして、その理念とは即ち、その団体のあり方を示すために、その団体に所属している全ての人や活動に良いも悪いも影響を及ぼします。

それは当然ですよね。

理念は、とても慎重に考えないといけません。

なぜなら、その理念の中に

悪いことが起きるという前提が盛り込まれていると、

その悪いことは当然のように現れてきます。

何度も何度も。

ですので、時代に合わせて作り直して然るべきなのです。

例えば、この憲章前文からは

学生の自覚がない者が野球をしている

学生は放っておけば怠惰と放縦が生まれるもの

学生は放っておけば勝ち負けや運に左右される精神に育ってしまう

などがあまり効果的ではない前提としてあることが伺えます。当時から変わらずその前提が続いているということです。

昔から、文武両道という言葉があります。私も好きな言葉です。

その言葉を掲げている学校は少なくないと思います。

今年度の大会では、公立高校が過去最多の14校も出場しています。

私立が悪いというわけではありませんが、特に公立高校では特定の部活が優遇されて、課題が少ないとか成績を優遇させるとか、そういうことはありません。

平日に試合に出ることがあったら必ずどこかで補習を設けます。

私立では、部活を続けていればよい。お金も成績も優遇がある。その代わり部活を辞めたら優遇がなくなる。

近年では私立の学校でも特別優遇をさせないという話しを聞いたことがあるので、今はあまり気にしてませんが。

しかしやはり今年度は公立の学校が多数出たということが喜ばしく思ってしまいます。

私の中にはかつて、

「強い高校は、全国から強い選手を見つけてきてお金を出し入学させ、学業そっちのけで野球に専念させている、だから強い、しかし世間知らずだ」、という思い込みがありました。

その思い込みがわかるわかる、と感じた人は、順に手放していくといいでしょう。

「あったなー」と思ったら「手放そう」

そう思うだけで頑なだった思い込みは少しずつ溶けていきます。

人の思い込みは、人に移ります。

親から子へ。

先生から生徒へ。

先輩から後輩へ。

兄弟間で。

友達同士で。

近所同士で。

こうして私立と強豪校への思い込みを世間から薄めていけば、学生達の心の縛りをいくらかは緩めることができるのではないか、と考えています。

学生には、学校を選ぶ権利があります。

公立でも私立でも。都市部でも地方でも。

そして、甲子園に出る、ということを目標にした時にどの学校を選ぶ、という選択する権利も当然あります。

保護者にも、経済的な面では一部選ぶ権利はあると言えるのかもしれません。

強豪校が中学生をスカウトしに行く時に、

その学校の野球部の理念を伝えて、

この学校はこんな校風だ、

この学校ではこんなことが学べる、

設備がある、身につく、強みがある、

将来こんなとこに進学や就職している先輩がいる、など学校に通うメリットを説明するのはいいことです。

しかしそこに、スカウトマンが学生の不安材料である

経済面の補助や学業の優遇について話すべきではありません。

というか、できません。

学校に通うメリットは、将来に繋がるので素晴らしいと思います。

しかし、ここで挙げた経済面の補助や学業の優遇などの不安材料の解消は、

学生がやっぱり辞める、という選択をできなくします。

辞める、という選択は必ずしも悪いことではありません。

諦めたらそこで試合終了だよ、とう名言がありますがそれとは別の話です。

諦め癖がついてしまう、というのもまた別の話です。

やってもやってもずっと違和感があって、よくよく考えて考えて考え抜いた結果、辞める、を選択するならそれは素晴らしい決断なのです。

長い人生の上では次に進むためには何かを断たなければならないことがあります。それが部活であったとしても、なんら矛盾はありません。

なんらかの理由で辞められない。

それは学生の心を、あるいはその親の心を拘束してしまいます。

「結果を出さなきゃいけない。」

「どんなにしんどくても続けなきゃいけない。」

身体は若いので無理は効きます。

しかし、無理が続けば当然身体は故障して休むことを選びます。心がそうさせます。

心が拘束された学生が、休んだ時に感じるのは罪悪感です。

その感覚は、監督や他の生徒にも伝わっているのかもしれません。

故障した原因を探し、ある程度出来上がっていたチーム練習の中に練りこみ、無茶をさせないように監視させ、管理しようとします。

そうするとさらに余計にチーム全体を緊張させて、いいパフォーマンスができません。

根本は、どうしてその学生は故障するまで頑張る必要があったのか？それはチーム全体が強くなるために必要な手段だったのか？何がそうさせているのか？

それを洗い出す必要があります。

放っておけば、チーム全体で同じことを繰り返すだけです。

かつて、私が学生の時に某強豪高校の生徒達が通う店で食事をしたことが何度かありますが、

言い方はあれですが、非行に走っている人が多かったように思います。

一つだけの学校ではなく、また野球部だけではなく、柔道部やボクシング部、ラグビー部など、部活の種類も地域も様々です。

当時は、強いからイキってる。くらいにしか思わなかったですが

今から考えると彼らの背景に、

「逃げられない」「結果を出さなきゃいけない」

「お金のため」「成績のため」

など強いプレッシャー、束縛された心があったのだとしたらそれは、非行に走るとかそうなってもおかしくない環境だったんだなぁ、と思っています。

部活動は学生のためにあります。

監督は、その学生達が持っている可能性を引き出す役割です。そのスポーツだけではなく、人格者としての指導者でもあります。

学校は、学生達の将来のために様々な活動を通して健全な心と身体を作る環境です。

監督も学校もあくまでも環境です。

環境が学生の心を拘束している状態が、果たして、学生の本分を全うできるでしょうか？

学校や監督は何のために甲子園で優勝することを目指したのですか？

学校や監督は、学生にとってどうしてその学校から甲子園で優勝させることを目指させたのか一人一人の学生のことを説明できますか？

学校や監督にとって、優勝することによって得られる物はなんですか？

その得られる物に、今の学生のことは入っていますか？

学校や監督にとって、手放したくないものはなんですか？

その手放したくないものは、学生以外の物ですか？

学校や監督は、学生の将来の夢を語れますか？

それだけのコミュニケーションは取れているのでしょうか？

遠方に出た学生には、親御さんへの連絡をさせているでしょうか？手紙を書かせているでしょうか？

数字以外のデータをどう集めてどう活用しているでしょうか？

監督やコーチは試合に勝った時の喜びを学生にどう表現しているでしょうか？どんな言葉やポーズで表現しているでしょうか？

逆にコーチや監督は試合に負けた時はどう表現しているでしょうか？

成績を落としたことを恥じているのでしょうか？練習が足りないと罪悪感を感じているのでしょうか？

学校の名誉を傷つけたと感じるのでしょうか？

自分たちに足りないところを洗い出すことができたと喜びを感じるのでしょうか？

相手チームに敬意を感じ、成長させてくれたと感謝の気持ちを持ち、自らのチームにも身体を張って現状を示してくれたことに敬意と感謝の気持ちを持って言葉や行動で表しているでしょうか？

もしも優勝したら、その喜びがどれくらいの物か、監督や学校、家族も含めて共有しているでしょうか？

優勝した時にどんな言葉を叫ぶか、ポーズを取るか、決めていますか？

皆の前で発表していますか？

感情は何もしなくても伝わりますが、言葉にして形にするとより強固になって記憶に残せます。

皆の目標が同じ方向を見ている時に発する力は物凄く大きな物になります。

人は言葉でも数字でも語り尽くせないほど尊いものです。

同じ目標を語ったのに横や後ろを向いている人がいたら、どうした？と声をかけ会えるチーム作り、それが監督やキャプテンの大事な役割となるでしょう。

長くなりました。まだまだ話しは尽きませんが。

少し熱くなり過ぎたのでこの辺で終わります。

この画像はとある新聞の中にあった高校野球とポカリスウェットのコラボ広告です。

幼馴染が部員のことを語っているシーン、なんですかね？

あのね、

リアルにね、

こんなに可愛い幼馴染なんて存在しないからなっっ！！！

幼馴染設定のストーリーとか、現実にあるの？