今朝は旧暦で赤穂浪士たちが吉良を討ち取った日。

忠臣蔵はたくさん映像化されていて、歴史上、真相が分からない「浅野が吉良を斬りつけた理由」を探ろうとする物も多い。
しかし、映画「四十七人の刺客」ではその理由は追わず、高倉健演じる大石内蔵助は討ち入りの理由をこう語った。

「我らは不意に、主も家も領国も奪われた。
敵は刃傷の真相を闇に葬り、我らを流浪の身とした。
その処置処断に一片の情けもなく、武士に対する礼節もない。
我らは、時を利し、あらゆる手段を用い、吉良上野介を討ち、その家を潰す。それだけではない。
上杉家の武名を地に落とし、将軍家と柳沢吉保の面目を叩き潰す。」

つまり吉良個人に対する恨みなど大きな問題ではない、
自分たちをこんな浪人の身に追い込んだ幕府や、吉良を守ろうとする全てのヤツらに大恥をかかせる、
そのために吉良を殺すのだと。

大石の辞世の句
　「あら楽し思ひは晴るる身は捨つる浮世の月にかかる雲なし」

心に雲がかかったまま生きるよりは、自分の命を捨ててでもその雲を晴らす。
それが四十七士の選んだ道。

だが、浅野家の侍という幸せな暮らしが維持されていたら、47人のうち何人がその道を選べたか。
人間なんてそんなものだから。

幸せは人間を可愛い豚に変え、苦しみは人間を虎に変える。

赤穂浪士3