『水すまし』 詩 金子みすゞ『水すまし』 詩 金子みすゞ 一つの水の輪、一つ消え、 三つまわれどみな消える。 水にななつの輪を描けば、 魔法は泡と消えよもの。 お池のぬしに囚われの いまの姿は水すまし。 きのうもきょうも、青い水、 雲は消えずに映るけど、 一つ、二つ、と水の輪は、 一つあとから消えてゆく。