『草の名』 詩 金子みすゞ『草の名』 詩 金子みすゞ 人の知ってる草の名は、 私はちっとも知らないの。 人の知らない草の名を、 私はいくつも知ってるの。 それは私がつけたのよ、 好きな草には好きな名を。 人の知ってる草の名も、 どうせ誰かがつけたのよ。 ほんとの名まえを知ってるは、 空のお日さまばかりなの。 だから私はよんでるの、 私ばかしりでよんでるの。