2.活動の動機
2-1東日本大震災で「生かされた命」を役立てる
みちのく巡礼創設者は、震源地に最も近い島・金華山で東
日本大震災に遭遇し、3度の危機に襲われ九死に一生を得ま
した。津波が去って平静を取り戻した時、〈自分が助かった
のは、何か大きな力によって生かれたのではないか?〉と直
感しました。 同時に浮かんだのは、四国遍路でお接待して
くれた人たちが口にしていた「人のために役立ちなさいとお
大師様に生かされています」という言葉でした。
この二つが結びついて、「『生かされた命』を被災された
人々や大切な人を失くされた方々の心の復興のために役立て
よう」と思い立ちました。
2-2背景は「阪神‣淡路大震災後の四国遍路」
創設者は四国歩き遍路を6度結願しており、大きな影響を
受けていますが、中でもみちのく巡礼創設の背景になってい
るのは阪神・淡路大震災後の犠牲者慰霊の遍路です。
その折、犠牲者の鎮魂を願う多くの遺族に出会いました。最
も印象に残っているのは同時に5人の家族を亡くした男性遍
路との出会いです。そのお遍路さんは、奥さんと息子夫婦と
二人の孫を亡くして、五周目の遍路でした。左の手首には5
連の数珠がまかれており、それを見てグッときました。彼
は、「始めの内はもっぱら慰霊の気持ちでしたが、今は自ら
が癒されながら巡っています」と語りました。
多くの出会いと体験を通して、
・「震災犠牲者への慰霊巡礼は亡き身内を供養すると共に
祈る遺族自身の心を癒し、精神的立ち直りのエネルギーを生
む場になっている」
・「祈りながら震災の記憶や体験を心に刻み、自分と向き
合い、その後の人生に生かしてゆく貴重な糧を生み出してい
る」と実感しました。
2-3 根底に流れるシルクロード旅体験
活動の直接動機は大震災の体験ですが、根底には四国歩き
遍路とシルクロード取材旅の体験で養われた心があります。シルクロード旅からは厳しい状況に挑む精神力が養われたと考えています。一方、震災までに6度結願した四国歩き遍路も人との出会いやコミュニケーションを育てるのに役立ったと思います。四国歩き遍路とシルクロード一人旅で培われた精神がみちのく巡礼の活動推進に生きていると確信しています。
シルクロードでも四国歩き遍路でもたくさんの親切をいただきました。親切への感謝の心、シルクロード旅へのチャレンジ精神がみちのく巡礼の壮大で根気の必要な活動に結びついていると確信しています。被災者の方々へご恩送りとして向けられていると思います。







