[問]


メーカー勤務のサラリーマンです。

本田の創業者である本田宗一郎氏に憧れて技術者になりました。

これまで世に出ていないような新しい商品を作りたい、モノづくりがしたいと入社し、その思いは中堅と呼ばれだすようになった年齢の今でも変わりません。

しかし、自分の仕事は、既存商品の改良や不具合の調査などで、新製品の開発では全くありません。


やりたい仕事と違っていますが、それでも与えられた仕事をきちんとこなす中で、自分を成長させようと、仕事を何年も続けてきました。

そして、今の仕事にその仕事なりのやる気を感じ、可も無く不可も無くといった感じで毎日を過ごしています。


しかし、このままで本当に良いのか、自分が本当にしたいことをしないでどうするのか、と思い悩むようになりました。

そのため、上司と面談した際、それとなく異動の可能性について探りをいれましたが、できる可能性は、ほぼゼロに近いことが分かりました。

職場の環境もほどほどに良く、今の仕事に特に問題はなく、このまま流されるままに、自分の仕事を淡々とこなしていけばいいと思う時もあります。


けれど、やはり、このままではいけないと焦る気持ちがあります。

だからといって、転職の選択を含めて、自分が何をしたいのか具体的に分からず、どうして良いのか分からないまま、毎日が過ぎていきます。



[答]


会社の中で、本当にやりたかった仕事をしている方は何割ぐらいいるものでしょうか。
適材適所、もしくは希望者が希望の部署に配属されることが理想ですが、一人一人にきめ細かく配慮した配属はされないのが実情でしょう。
能力に見合った職場にあたる幸運もあれば、ただ偶然その職場にできた空きの補充もある。
会社は個人にご親切ではないです。


やりたい仕事でなくても腐らずに、その仕事をきちんとされているのは良いことだと思います。
また同時に、世の中の会社員の多くが、そのような心持で仕事をされているのでしょうね。


今の環境に特に不満はないけれど、自分が本当にしたいことをしたいと考え始めた。
そのあなたの心の変化は、どうぞ大切にしてください。
夢と現実のギャップが苦しくても、きちんと向き合ってください。
流されるまま、考えることを放棄することだけは、絶対にしないで欲しいと思います。
変わりたいという心の変化は、人生の分岐点ではないでしょうか。
ここで何かをするかしないかで、あなたの人生は大きく違う道を描くかもしれません。


とにかく何かを始めてみましょう。
何をしたいのか具体的に分からないということですが、ひとまず分かることから、どんなに些細なことでもいいから、自分の夢の道に続くと思うことをされてみては如何でしょう。
今まで一度もしたことのないことをしてみる。昨日とは別の考え方をしてみる。
悩みの世界で立ち止まらずに、ちょっとした変化を重ねる。
一歩でもいいから前に進むことで、きっと何らかの道は開けてくるはずです。
時間はかかっても前に進む過程で、自分の進むべき道が次第に見えてくると思います。


また最後に、今の環境がずっと続くものではないことを、どこかで意識しておいて欲しいです。
たとえ、あなたが今の環境を変えない選択をしたとしても、環境の方が勝手に変わってしまう可能性は十分にあります。
もしかしたら、望む職場に労せずとも異動できるかもしれませんし、今よりも望まない環境になってしまうかもしれません。
このような強制的な外的な働きは、本人の力ではどうしようもできない、ひどく当てにならないものです。
それよりも、自分が本当にやりたい道を模索し努力する内的な働きの方が確実で、その方が楽しくはありませんか。


新聞や雑誌に投稿された相談に答える相談員は、ある意味、気持ちの良いものだろう。
自分だって、大した人生を送ってもいないくせに、ちょっと上から目線にて、分かったような感じで、自分の意見を好き勝手に言いたい放題だ。
それに、一度答えればアフターケアはせずに、気は楽。
相談員がだした答えが間違っているかもしれないし、そもそも答えなんて一つではない。


そんないい加減な人生相談なのに、星占い同様、無くならないのは、どうしてだろう?
袋小路にはまり、こんがらがった想いをほどくのに、役立つ糸口。
どんなものでも何であってもいいから、それを探すからだろう。
今日の星占いは、「周りの人達に優しくすれば運気が開きます」だった。
そんなことは、今日に限らず、当たり前だ。
けれど、敢えてそれを言われることで、それを思い出し、今日一日実践してみようかなと思う。
きっかけだ。


面白いことに、相談者の状況を全く知らない、一度して会うこともない人間に相談する。
もっと身近で、その状況を知る人の方が正しい判断ができるのではないかと思うが、どうやら、それは求めていないようだ。
身近な人間に相談することは、いろいろとリスクを伴う。
身近すぎる故に冷静に判断できないかもしれないし、悩みを正直に打ちあけたことで、周囲の人間関係にヒビが入るかもしれない。
それに、自分の悩みに理解を示してくれると期待していたのに、軽くあしらわれたら、精神的ダメージは大きい。


客観的で、シンプルな答えを求めているのだ。
正しい答えも詳細な答えも、本当は必要としていない。
答えでなく、ヒントを求めている。
相談者を知らない相談員は、「匿名A」に返事を書いた。
○○丁目に住む○○さん家の○○ちゃん宛てではない。
架空ともいえる「匿名A」に送られた答えから、相談者は、それをヒントとしてだけ使い、自分だけの答えを自分自身で作り出すだろう。


ところで、相談員が相談に答えるのは、何故だろう。
他人を助けたい?
おこがましい。
少しでも、これを読んでいる人の何らかのお役にたてたら、幸いである?
それすらもキレイ事か。
相談員は、自分自身の人生で想い、主張したかったことを、他人のフンドシを借りて、吐き出しているに過ぎないのではないか。
相談者の相談に答えることは、相談員が持つ相談に答えることに繋がる。
相談者が抱える悩みは、相談員も抱える悩みだ。
とどのつまり、人間が抱える悩みは、誰でもが経験するような、似たようなもんである。
そういうことの繰り返しを、人の歴史が始まって以来、いつまでも続いている。





[問]

私は入社3年目の会社員です。
同じ職場にいる困った先輩についてご相談します。

その先輩は、朝職場に来てから、ほとんど仕事をしません。
机に座り、ただボーとしているばかりで、酷い時には、昼過ぎから居眠りを始めてしまいます。

しかし、職場の先輩達は、その方に全く注意をしません。
それどころか、まるで腫れ物に触るような感じで、丁寧に接しています。


上司に相談したところ、会社としてもこの事は把握していると。
今のような状態で、しばらく様子を見た方がいいと医師から診断をうけているとのことでした。


直接、この方と仕事で関わる機会はありませんが、何か不公平なものを感じ、心苦しいです。
正直に言えば、その先輩が視界に入るだけで、嫌な気持ちになってしまいます。


何故、この不景気の折に、あのように仕事をしない方が、職場に居続けることができるのか、理解に苦しみます。

私はどうすれば良いのでしょうか。
アドバイスをください。



[答]

自分は一生懸命働いているのに、不真面目な人がいる。
それを不公平に感じて、イヤな気持ちになる。
その自然にわきあがる気持ちは、分かります。
しかし、その感情に囚われ、他人を批判し続けても、全く、あなたのプラスにはなりません。
意識的に、その気持ちを変えていく必要があると思います。


自分は自分、他人は他人です。
他人が幾ら仕事をしていないようが、自分さえしっかり働いていれば良いではないですか。
「自分だって本当はサボりたいのに、ズルイ」こんな感情は働いていませんか?
その人のせいで、自分の仕事に迷惑がかかるのであれば問題ですが、他人にこうなくてはならないと行動を押し付けようとするのは、余計なお世話のようにも思います。


特に、あなたは未だ入社3年目のぺーぺーです。
先輩のことを批判するよりも、まず自分の仕事ぶりがどうであるかに、もっと目を向けてはどうでしょうか。
他人をマネージメントするのは、決してあなたの仕事ではなく、上司の仕事であり責任です。
他人の批判にばかり眼が向かい、自分自身の反省が疎かになることを心配します。
他人を批判するばかりでは、あなた自身のためになりません。


また、会社の世界には、あなたが未だ体験していない苦しみや悲しみも多くあるということです。
あなたの想像を絶するような苦しみに出遭ってしまう人もいるのです。
未だ経験の浅いあなたが持つ、とても小さな物差しだけで、他人を判断して審判をくだして欲しくはありません。
多くの経験を重ねてきた先輩にしか分からない世界があることに、想像力を巡らせてみてはどうでしょうか。
何故、この先輩が、仕事ができなくなるまで追い詰められてしまったのか、一時、考えてみてはいかがでしょうか。


今の状態が最も辛いのは、あなたでもなく、上司でもなく、仕事をすることが出来ない、その先輩本人です。
周りから仕事ができないと思われることは、非常に辛く苦しく悲しいことですよね。
一生懸命、元気にバリバリと仕事ができることは幸せなことです。


あなたには未だ、その方の力になることはできません。
あなたに出来ることといえば、その方を通して、会社とは何かを知ることや、仕事とは何かを考えること。
あなた自身の成長に繋がることを、そこから見出すこともできるはずです。