つい先ほど、日経のある新聞記事の短評を記させていただきました。
http://ameblo.jp/moravcik/entry-12240025805.html
以下、私の備忘もかねた細かい業界話です。
【いまさらですが、はじめに私の認識や薀蓄】
◆SAPとは(正確な詳細情報はググるのです!)
国際および日本国内で第1位のシェアを誇る大企業向けEPRアプリケーション群を提供している、ドイツ本社な巨大企業ないし彼らが提供する某アプリケーションの名称。
SAPは業務関連アプリケーションを自社開発するだけでなく、他社の買収や提携などを行いSAPに“取り込んだり”、“親和性を高める”こともある。
例えば、正解的に有名な出張管理・経費生産システムのコンカーを買収したことには、みんなも驚いたと思う。(しらねぇよ!!ですよね。普通そうです)
http://www.publickey1.jp/blog/14/sapsaas.html
呼称は“サップ”が正式なのですが、私は頑なに“エス・エー・ピー”と呼んでいます。
バーレーンでのプレゼン中もそうですが、正直“サップ”という発音がしにくく、一瞬クライアントが“ざっと?わっと?なんていった??”的な表情をするため、それを気にかけると流暢なプレゼンができないためです・・・。我ながらしょぼい理由ですね。
◆ERPとは(正確な詳細情報はググるのです!)
Enterprise Resource Planningの略語なのですが、正直私自身、概念上&システムアプリケーション上の線引きについて、厳密にはわかりません。
ただ、一般的な事業会社の中心的な一連の業務を全て賄えるシステム機能のこと、という理解でよいと思います。
以下のような機能が一揃いしているようなシステムのことです。
①顧客管理
②受注管理
③PJT進捗管理
④製造管理
⑤購買管理
⑥在庫管理
⑦債権管理
⑧債務管理
⑨会計帳簿管理
ただ、これらのうちどれが欠落していたらNGなのか、といった条件については不明です。
経験上、クライアントによっては”⑦⑧⑨の、会計部署だけで完結するようなSAP機能だけが欲しい”というような要望もあります。
大抵は将来の拡張性を見越してのSAP導入ですね。
【役割と役者について】
一般的には、以下の3つの役回りがります。
①SAPのようなERPなどの基幹システム用アプリケーションの提供元
②それを活用して業務変革を望むクライアント
③SAPを設定したり、クライアントの業務内容の再構築を行うベンダー
①②は前提なので不可避ですね
③については、極々まれにクライアント自身でやりきってしまうことも無くはないようですが、普通は外部ベンダーを雇います。
また、③について、システム設定だけで事足りる状況であれば、SAPとパートナーシップを結んでいるベンダーさんからSEを招き、クライアントとベンダーでやりきります。
ですが、より一般的にはSAP程の大規模なERP導入を目指すのは、大規模なシステム変革と業務変革を試みるクライアントが多く、そのため幾百~幾千億円規模のPJTになります。
そうなってくると、業務変革のアドバイザーとしてコンサルが関与します。
あるいは、システム導入PJTのマネジメント役として、関与します。
なお、システム実装・構築の担当としてコンサルが関与することも往々にしてありますが、それは“コンサルファームの人がSEの仕事を担う”ような状況になります。
【SEとコンサルの違い】
いろいろな業界本が流布しているので、それらを見てみるのも面白いと思います。
私の意見ですが、一人ひとりの人間に着目すると、SEとコンサルの肩書きの違い=単価の違い、であって、能力の違いではないです。
Q;SEができることがコンサルはできないのか?
A;できる人も要れば、できない人もいます
Q;コンサルができることがSEはできないのか?
A;できる人も要れば、できない人もいます
一方、単価設定を行っている会社(法人)に着目すると、SEベンダーとコンサルファームの違い=実現力の違い、であって、それが単価の違いに繋がります。
費用対効果の点も含めて、両者のビジネスモデルや供給できるサービスが異なるから、SEとコンサルは違う。。。と理解するしかないですね。
ともあれ、(私の経験則ですが)業務も語れ、PJTマネジメントの素養もあるコンサルが、システム実装構築を担うこともありえます。
その場合、そうでないSEが担うよりも総合的に品質の高い成果物が期待されます。
一方、PJTの各フェーズを区切ったときに、特定フェーズはコンサルじゃなくSEに担わせて総合的な予算を下げる、という管理をしたほうが合理的なことも多くあります。
“なんで単価の高いコンサルにプログラム書かせてるんだ?SEにやらせろ”
とクライアントが話すのをよく耳にします。
一方、海外案件にばかり携わっているコンサルな私の正直な思いは以下です。
”海外ユーザーの業務用件や各国音法的用件の理解が浅いSEだけでシステム実装を行うと、後続で手戻りが発生する。なので、総合的には結局コストは同じと考え、専門知識を持ったコンサルもシステム実装段階で入れ、PJT進捗と成果物の品質を高めるべき”
それができるのが単価の高い“コンサル”なんですからね。
とにもかくにも、コンサルが必要なPJT難易度なのかを正しく見極めることが、クライアント・SE・コンサル全てにとっての幸せに繋がっています。
一番最悪なのは、“できもしないことをやらされるSE”、“納期変更と追加予算ばかり求められるクライアント”、“低単価競争を強いられるコンサル”となってしまうことだと思っています。
【IoTとERPについて】
さっきにも書きましたが、ERPは受注管理や購買管理、製造管理などのアプリケーションと経理のようなバックオフィス的なアプリケーションが一まとめになっています。
データソースが同じなだけでなく、データ同士が連携しあうため、自動処理が豊富にあります。
これは、中・大規模クライアントの各経営企画を考える上で、また財務データのアカウンタビリティを考えるうえで、いまや必要不可欠といっていいほどの機能ですね。
IoTとERPが連携するようになると、特に製造管理と受注・購買・管理管理の観点で、新たな境地が広がることが期待されます。
私自身は会計に特化したコンサルなので、IoTによって棚卸し管理や製造工程における歩留まり率の管理などが変わってくるのだろうと、期待しています。
一方で、製造工程をリアルタイムで把握することまでは、会計的にはとくには不要なのではないか、と思っています。
それを知ったところで会計上・経営上おおきな意味があるのか、という点については、まだ明確な答えを私が有していないためです。
(営業やロジスティックスや製造部門からしたら、垂涎だとはおもいます)
【安川情報がどういう役回りになるのか】
これについては、まだまだ見えていないです。
ERP導入を得意としてきたコンサルファームがIoTにも興味を示しているのは当然のことです。
一方、安川情報のようなIoTを提供できるような事業会社が、ではERPの導入も担えるのか、という点が腑に落ちないのです。
IoT部分はうまく動いても、基盤部分のERP(SAP)がチープ(失敬)だと本末転倒です。
そうならないために、必然的にSAP導入にリッチな経験があるコンサルファームとの協力関係が不可欠になるのではないかと思うしだいです。
そういうわけで、いつになるかはわかりませんが、近い将来にも安川情報・IoT・ERP(SAP)というワードが日経新聞に載るのではないでしょうか。
非常に興味があるところです!
以上、備忘でした。。。