やはり、ふと考えるのです。
彼はどんな気持ちで「この仕事」をしていたのだろうかと。
自分より圧倒的に「学歴的に」低く、経歴も劣る人達の中で、彼はなにもできなかった。
仕事ができなかった。
そして、人柄も、表情も豊かでなく、ボキャブラリーや選ぶ文言はその業界の人には理解するには困難で、
でも、彼は、この業界を選んだ。
私が、彼とともに働いた施設を離れて2年余り、いや、3年かな。よく覚えていない。
去年、偶然会ったその職場の人から
その施設で、私の知っている人は彼しかもう残っていなかった。つまりそのほか全員が退職、もしくは転勤しているのだ。
今も、彼はいるのだろうか。来年還暦を迎えるくらいかと思い出す。
私がこの仕事を止めるわけにはいかないのは、
もしかすると、彼がなぜこの生き方を選んだのか、その答えが少しでもわかることを希望しているのだ。
素晴らしい人達、人格的にも才能にも溢れた人達、たくさんの人達と接してきて私は成長してきた。
彼はとても異質であった。
悲しくなるのだ、彼を思い出すと悲しくなるのだ。
そして、こうして彼を思い出す時、そんな自分も悲しくなるのだ。