地上における生命が充実していたころ、りっぱな人間はとくに注目を引かなかったし、能力のある人間もとくに目立たなかった。
支配者は木のいちばん高い梢のようであり、人びとは森の鹿のようであった。
だれも「務めを果たす」などといった意識なしに正直であり、実直であった。
人間同士愛しあっていたが、それが「隣人愛」だと知らなかった。
自分たちが、「信頼のおける人間」であると認識することもなく、人を裏切ることはしなかった。
みんなたよりになる人びとだったが、それが「誠実」であるとは知らなかった。
かれらはがまんや無理をすることなく、ともに住み、すべて分かちあったが、これが「寛大」であるとは知らなかった。
それゆえにかれらについてはなにも語られていない。
かれらは歴史を残さなかったのである。
R・M・ スマリヤン 「タオは笑っている」より
いいな〜
好きだわ、この感じ♪(‐^▽^‐)
面白い本でした!
