なるほど・ザ・世界 -13ページ目

なるほど・ザ・世界

見ればそうなる。



 
地上における生命が充実していたころ、りっぱな人間はとくに注目を引かなかったし、能力のある人間もとくに目立たなかった。

支配者は木のいちばん高い梢のようであり、人びとは森の鹿のようであった。

だれも「務めを果たす」などといった意識なしに正直であり、実直であった。

人間同士愛しあっていたが、それが「隣人愛」だと知らなかった。

自分たちが、「信頼のおける人間」であると認識することもなく、人を裏切ることはしなかった。

みんなたよりになる人びとだったが、それが「誠実」であるとは知らなかった。

かれらはがまんや無理をすることなく、ともに住み、すべて分かちあったが、これが「寛大」であるとは知らなかった。

それゆえにかれらについてはなにも語られていない。

かれらは歴史を残さなかったのである。

                                                             R・M・ スマリヤン 「タオは笑っている」より






いいな〜
好きだわ、この感じ♪(‐^▽^‐)
面白い本でした!