私がプロ野球というものを知ったのは、昭和38年(1963年)、小学3年生の時です。
この年、セリーグは巨人と中日が優勝争いし、巨人が首位をずっと走り、中日が猛追し、最終的には140試合で、巨人が勝率.601、中日が.584で2.5ゲーム差でした。
テレビでは巨人の試合ばかり放映され、私はその時は巨人ファンで、プロレスで正義の味方力道山が最後は必ず勝つように、巨人が正義の味方で必ず勝つものだと信じていました。両親は中日ファンでした。巨人×中日で、6:1と巨人がリードしていたのが、中日の選手が満塁ホームランを打って6:5となった映像は覚えていて、中日もしぶといなと思ったものでした。
パリーグでは、南海が来るものだろうと思っていたのが、西鉄が相手になったのに驚きました。記録によると、14.5ゲーム差の世紀の大逆転優勝だったようです。
日本シリーズの巨人×西鉄で、正義の味方の巨人が必ず勝つと思っていましたが、西鉄もしぶとく、やっとの思いで巨人が4勝3敗で勝ちました。
それはさておき、巨人の長嶋の背番号は「3」、王は「1」ですが、「2」は誰だったと思いますか?
ショートの広岡です。私は細身で非力の広岡がなんとなく気になってしかたがありませんでした。結局、広岡はお嬢さん選手と言われました。(多分走塁で、キャッチャーにぶつかってまでホームを狙わなかったのかも)
私は、王や長嶋の陰にいる広岡のファンとまではいかないが、気になる選手でした。
でも、広岡は川上と仲が悪く、結局、川上によって巨人から締め出され、引退しました。
ですから、広岡はその後のV9巨人には縁がありません。広岡がいなくて、その代わりにいやらしい黒江や土井が駆け回る巨人は嫌いでしたね。(いつの間にか、私は、そのころ万年2位の中日のファンになってしまいました。阪神は一番きらいなチーム)
その後、広岡は他チームのコーチや監督をやって、大活躍をしましたね。
ヤクルトのV1日本一、西武のV1、V2。
田淵が言うには、広岡が西武の監督になったとき、選手を集めて説教したそうです。「このチームには、走れず守れない高給取りがいる(=田淵)。7回までは投げるが、そのあと必ず打たれるピッチャーがいる(=東尾)。守れないショートがいる(=石毛)・・・・・」などと、誰とは名前を言わないが、選手をクサしたそうです。
それを聞いて、田淵や東尾は頭にきて、コノヤロー絶対に優勝して、広岡を3回胴上げして、4回目に落としてやろう、と言ったそうです。
それで、いきなり広岡監督の1年目に日本一になり、胴上げされることになり、4回目の胴上げでも落とされなかったらしいです。東尾が落とすんじゃなかったのかと田淵に言ったら、いいじゃないか、で終わったらしいです。
田淵は今でも広岡の誕生日の2月9日に電話でお祝いの言葉を言っているとのこと。(江本とのユーチューブでの対談より)
広岡達朗、御年93歳。
話はもどり、昭和38年。巨人のファーストは王、サードは長嶋、ショートは広岡、で、セカンドはと言えば、船田和英です。静岡県の浜松商業出身。
船田がセカンドだということは知っていましたが、広岡同様、活躍したイメージはなかったですね。背番号も覚えていません。
船田も昭和38年の日本一に貢献していますが、V9にはいなかったですね。なぜか巨人のセカンドは土井に代わっていて、ある年のオールスターに西鉄・船田がホームランを打ったのを見て、びっくりしました。なんだ、船田は西鉄に行ったのか・・・・・と。
稲尾のいるころの西鉄はまだ、そこそこ強かったですが、だんだんと弱くなり、ついに黒い霧事件を起こすまでになってしまいました。それで西鉄の選手はごっそり永久追放されました。それで、西鉄は身売りして消滅。
日本シリーズで巨人相手に3連覇し、奇跡の3連敗後の4連勝した栄光の西鉄ライオンズは消滅しました。船田は永久追放はされませんでしたが、影響を受けました。
この船田を拾ったのが、ヤクルトでした。
その後ヤクルトでは、広岡がコーチになり、広岡ー船田が同じチームで再会することになります。広岡がコーチから監督になったころに、船田の打撃も上がっていったようです。広岡の下、ヤクルトが初優勝した昭和53年ですが、船田がサヨナラホームランを打った試合を覚えています。この船田のサヨナラホームランを見て、なんとなく広岡ヤクルトが優勝するような気がしました。(そういえば、広岡と船田は巨人の二遊間コンビだったのを思いだした。)
巨人の選手はみんな威張っていたそうですが、船田は気さくな人間だったようですね。それで何年間かヤクルトでコーチをしていたようですが、50歳でたぶん癌かなにかで亡くなってしまいました。
巨人の柴田とほぼ同年か1年上で、柴田が歌手の伊藤ゆかりと恋仲という噂があったようですが、船田は、中尾ミエ、伊藤ゆかりとは友達の関係のようでしたね。













