syrup16g Tour 20th Anniversary "Live Hell-See”  at sapporo pennylane

2023.06.22 THU

 

<セットリスト>

SE George Harrison

01.イエロウ
02.不眠症
03.Hell-See
04.末期症状
05.ローラーメット
06.I’m 劣性
07.(This is not just)song for me
08.月になって
09.ex.人間
10.正常
11.もったいない
12.Everseen
13.シーツ
14.吐く血
15.パレード

En-1
16.モンタージュ
17.In The Air,In The Error
18.Maybe Understood

En-2
19.センチメンタル
20.生活
21.翌日

 

 

 

実に5年半ぶり。

2017年10月25日、COPYツアー第七夜以来のシロップ札幌だった。

あの日は2017年最後のCOPY再現ツアーの日だった。

南は長崎から、その他東京、そして地元北海道と

数人の友人たちと一緒にこの日を迎えていた。

年内最後のライブだったせいかシロップは

トリプルアンコール「翌日」で札幌ライブを締めくくってくれた。

 

ライブ後友人たちとペニーレーンの駐車場で立ち話をしていると

メンバーが出てきて各々車に乗って去るところだった。

その時の五十嵐はサングラスをかけており

とてもゴキゲンで

そこにまだいたお客さんたちににこやかに手を振りながら

車に乗り込んでいったのを鮮烈に覚えている。

その様子は私がシロップを知った頃、

まだフェスに出ていた頃、

どちらかというと大樹ちゃんが陰キャで

五十嵐が陽キャの頃のシロップを思い出していた。

その後、翌年3月20日の冥途をもってシロップは休むことを宣言した。

その後読むインタビューの内容と

ライブ後のゴキゲンな五十嵐の様子を

時々思い出しながら

彼の中でどんな葛藤が渦巻いているのかを思っていた。

 

5年半ぶりの札幌ライブの日。

雨は降らないものの生憎の曇り空。

でもまぁ本州から比べたら涼しいのでまだ良しとしなきゃだね。

やはり地元北海道にシロップが来てくれるという喜びと

何とも言えない安堵感というのかな、そんなものがあって

嬉しさもひとしお。

チケットは友人のお陰で二桁台の整理番号だったので比較的前の方へは行けた。

でも元々人込みはとても苦手なので、マキリン側の方へ陣取る。

3列目くらいかな。

前に背の高い男の人数人がいたのだけど、人と人の間から

ステージ全部が良く見える位置だった。

 

札幌は500のキャパシティだが

本州から遠いせいもあり

ましてや平日なのでsold outはしていなかった。

お客さんの入りに少々心配をしていたが

何度もスタッフから詰めて下さ~いコールがあり

なかなかの盛況の様子。

後から気付けば本州からの遠征組もたくさんいたようで

大勢の熱気の中シロップを迎えられたのはとても嬉しかった。

 

SEは今回ずっとジョージ・ハリスン。

19時。ほぼ定時にメンバーが出て来る。

五十嵐の髪の毛がいつになく長い。

多分今のヘアスタイルになってから一番長いかもしれない。

今回は黒のテレキャス多用が目立った。

ソリッドなギターのイントロから始まるイエロウ

大樹ちゃんのシンバルの音に俄然嬉しさが増す。

五十嵐がコロナ感染してしまい、岡山・福岡公演が延期になった。

復活直後の柏ではやはりノドの調子が思わしくなかったようだったので

そこからわずか2日後の札幌は大丈夫なのか心配だった。

でも冥途の時もそうだったけれど、

調子が良い時の良さ、悪い時なりの良さっていうものがシロップには本当にある。

それを何度も体験してきているのでライブに対する出来具合の心配は

しなかった。

 

だからそんな五十嵐のノドに対する心配はある意味杞憂で

最初から問題なく声が出ていて胸をなでおろす。

不眠症~Hell-Seeの流れはギターの音がとてもキレイに響いてくる。

3曲目が終わった時点でたしかMCが。

 

大  樹:「うれしい!うれしい!」「我々です笑」

お客さん:「おかえり~~!!」

五十嵐 :「遠かった~!けど来てよかった~」

 

この時のお客さんたちの地元でやってくれてありがとう感が凄かったな。

 

大  樹:「またそう遠くないうちに来ます」

お客さん:「来年来て~!」「ライジング~!」「明日~!」

五十嵐 :「また来るから~」

大     樹  :   大爆笑!

 

 

5年半待ったその嬉しさが溢れているやりとりだった。

本当に最初からアットホームな雰囲気で五十嵐もとても軽快にしゃべってくれてた。

 

そこからの末期症状。

この曲のイントロの美しいアルペジオからの疾走感のあるバンドの音が

とても好き。

 

ローラーメット~(This is not just)song for meと

なかなかレアな曲が続いて行く。

劣性が終わった後

 

五十嵐:「あ~100回やっても才能ない!」

お客さん:「あるよ~」「大丈夫~」

五十嵐:「みんなあったかい笑」→まっさらのヘルシータオルでゴシゴシ

    「全然吸わない!」

お客さん:笑

 

8曲目 月になって

大好きな曲

優しい優しい曲

 

届かないね 永遠にね

 

10曲目正常

多分Hell-Seeで一番好き。

これものすごい名曲だと思う。

 

でも、何かおかしい。

ギターとベースの音がちゃんと聴こえてこない。

不協和音みたいに聴こえてきていつもの正常じゃなかった。

これはきっと私のいる位置のせいだったと思う。

丁度向かって左側のスピーカーのすぐ近くにいたので。

もっと中側にいれば右と左のスピーカーからの音が

バランスよく聴けたのにと。

次回で絶対正常リベンジを誓う

 

本編のどこかは忘れたけどMCで

 

大 樹:「スネがしびれますね」

キタダ:手をあげる

五十嵐:(確かがっちゃんも手を挙げていたと思う)

大 樹:「座ってやりますか?」

キタダ:「座ってやると今度は膝がね笑 腰も笑」

五十嵐:「(お客さんに向かって)これからライブは座ってやりますか~?

     今度は椅子のあるところで。。。あ、ここにイス並べて笑」

 

 

12曲目Everseen

大樹ちゃんドラムのメタメタ加減や

えげつないベースの応酬に舌巻いてからのシーツ。

大樹ちゃんのコーラスの美しさとメロディ―ラインに心を奪われる。

13曲目吐く血。

マキリンも大樹ちゃんもコーラスに加わってるのをみるのは

嬉しいものだね。

 

本編最後パレード前に12弦に持ち替えて

 

五十嵐「歳を取って拗ねやすくなったのでダラダラなアンコールの

    拍手だと出て来ないかも笑」

 

で、五十嵐もお客さんも大爆笑。

何でこんなところでダダこねてるの?笑

こんなことを言ってくれるようになったんだな、五十嵐。

からのパレード。

本当に美しい曲。

これにて本編終了。

Hell-See曲の完成度の高さ、曲の多様さや美しさもさることながら

ところどころでアレンジを変えてきた。

特に劣性のベースアレンジが

原曲と変えてきてたところがとてもカッコよかった。

スラップと指弾きを使い分けていた。

それは多分何かのインタビューでマキリンが

劣性のアレンジに満足していないって言っていたから

今回のツアーできっと納得のいくアレンジを見せてくれたんじゃないかなと思う。

 

それと五十嵐のギターが時々かけるフェイクがホントにカッコイイ。

 

正直柏から2日で声はどうなる事かと思っていたけれど、

そちらの方も時々声が裏返ったりするところはあったけれど、

そこまで酷いもではなくて全然OKだったと個人的には思った。

 

さて

本編が終わり、アンコールを待つお客さんたちが俄然熱かった。

見本みたいなキチンと揃ったそれも大きな拍手の音。

段々早くなってはゆっくりになるそのペースがみんな揃っている(奇跡的!)

呼吸もピッタリで札幌のお客さん凄い!と思ったくらい。

 

程なくして登場したお三方。

がっちゃん…sheepT 

大樹ちゃん、マキリンお着替え無し

で登場。

 

アンコールはレミゼから3曲が定番。

この日はモンタージュでキタダさんのゆるりとしていて色っぽいベースラインに酔い

妖星になった五十嵐のシャウトが刺さるIn The Air,In The Error

Maybe Understoodは秀逸で

 

救済は無理か 音楽ですら

ロックンロールの成分は自己愛かい

 

にぶちのめされた。

私は多分こんな事を歌う五十嵐がとてつもなく好きなんです。

 

Wアンコール

がっちゃん、マキリン…ジャケT 

大樹ちゃん…ヘル氏ーちゃんT

 

キタダさんの白T

意外とお似合いでした笑

 

さてWアンコールは何が来るかと思ったら

センチメンタル!

私はdelayedオタクなのでセンチメンタルのイントロで

もう顔を覆ってしまった。

泣いた。

美しすぎる。

そこからの生活でお客さんこの日最高にぶち上った。

私は気付かなかったけれど、シンガロングも起きていたらしい。

五十嵐の声が出づらいのをお客さんが助けたみたいだ。

そして生活で手拍子も起きていたはず。

そして客電がついての翌日。

イントロがこれからのしろっぷの行く道のファンファーレの様だった。

とにかく希望に溢れていた。

 

「ふがい無いまま僕が」で

五十嵐が胸をトントンと叩いていて胸が熱くなった。

ふがいなくても

五十嵐の胸をトントンする姿で前を向こうと思える。

シロップはいつでも聴く者の合わせ鏡だ。

 

こうしてLive Hell-See 札幌編は終了した。

とにかく五十嵐がとても良く目を開けて

お客さんを見ていた。

そしてよく話してくれた。

彼の中で何かが変わったのだろうか。

それはこれからのインタビュー等で明かされるだろう。

にしても、

五十嵐がこうして元気に笑って

幸福そうに歌ってくれる姿

3人が仲良さそうに顔を見合わせてる姿を見られるだなんて

こんなうれしいことがあるだろうか。

5年半前は想像できただろうか。

 

そして間違いないのは

5年半ぶりっていう魔法がかかったライブだったって事。

中には地元でしかライブ参戦できなくて

本当に5年半待った人もいたと思う。

そんな人たちの思いもプラスされて、

今日のライブを全力で楽しみ切ってやる!

シロップの奏でる全部を身に刻み込んでやる・・・

みたいな気概さえ感じでしまった。

ライブって本当にバンドとお客さんで作り上げるものなんだと

改めて思う。

そして地元のライブには他では絶対味わえない喜びがある。

地元に来てもらうのが困難であればあるほど

地元に迎えられた喜びは計り知れない。

ずっと胸の中に記憶として刻まれ切っている。

 

 

どうやらsyrup16gは今

最高に充実した季節を迎えたようだ。

実に遅咲きで遠回り過ぎだとも思うけれど

多分必要な月日だったのだろう。

一旦解散したことまでも今の彼らになるためには

必要だったエピソードだったのかもしれないとさえ。

 

前に音楽と人の金光さんが、

私たちは五十嵐が滅びていくのを見たいのではない

音楽で救われていく五十嵐を見たいのだ(趣意)と記事に書いた。

今私たちが見ているのはまさにこの光景ではないのかと思うと胸が一杯になった。

 

長く聴いてきて

バンドヒストリーからしても唯一無二のバンドだ。

とてつもなくめんどくさい

一筋縄でいかない

でも、バンドとして最高にカッコイイ。

やはりデビュー前の彼らが歌ったように

あきらめない方が奇跡にもっと近づく・・・

事は間違いなさそうだ。

今、それを証明してくれている。

 

追記

ライブの翌日

大樹ちゃんがこうツイートしてくれた。

 

 

ぷっしろ健康旅 柏と札幌

 

来てくれたみなさん本当にありがとう

 

みなさんのおかげで良い夜になりました

 

この気持ちを伝えたく3人で演奏してますが

 

念の為この場でお伝えしておきます

 

みなさん最高でしたよ

 

個人的にはみなさんのライブを観てるみたい

 

酔ったので寝ますね

 

大樹ちゃん、こうして時々ふっと本音を呟いてくれるの本当にありがとう

シロップのお三方も最高でしたよ

主語が3人になっててうれしいです

シロップの皆さんとお客さんとで作り上げた最高なシーンに立ち会えて

嬉しかったです。大好きです。