クリスマス。
それはもっともっと昔の話。
パパとママの笑顔、皆の優しさに囲まれて幸せ。
暖炉の火が燃えて、照らしだされたのはそんな時間。
ずっと続くと思ってた。
終りなんて考えもしなかった。
あのとき。
例えばあのとき、あの黒い大きな怖いものが、そこを目指してこなければ。
私はまだきっと、パパとママに甘えて、泣いて笑って怒って。
心からコドモの時代を、すごしていたんだろうな。
夢であるようにと願って、今でもときどき飛び起きて、だけどそこはあのときと違う部屋。
あれから何度、12月がすぎていったのかな。
学園に通うようになって、力をつけて、強くなって。
自分の大切な人を守るために、大切なものが多くなるたびに不安も消えないけど。
でも、大切なものを見捨てることはできない…今度こそ、絶対に。
割れた窓ガラス。
動かない秒針の柱時計。
燃えあがるプレゼントの箱。
熱くて鮮やかすぎるほどの、忘れられないイブ。
表情をなくした人の亡骸、命と心は一緒に消えてしまうから…。
守られるだけでなく、私が守らないといけない。
守りたいときに、守れる力を。
幸せなクリスマスを、また迎えるために。
追いかけて追いつかないものでもいい、私は私の望むクリスマスを探してここにきた。
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