・・・☆・・月夜の子守唄・・☆・・・-クリスマスの涙


クリスマス。

それはもっともっと昔の話。


パパとママの笑顔、皆の優しさに囲まれて幸せ。

暖炉の火が燃えて、照らしだされたのはそんな時間。

ずっと続くと思ってた。

終りなんて考えもしなかった。


あのとき。

例えばあのとき、あの黒い大きな怖いものが、そこを目指してこなければ。

私はまだきっと、パパとママに甘えて、泣いて笑って怒って。

心からコドモの時代を、すごしていたんだろうな。


夢であるようにと願って、今でもときどき飛び起きて、だけどそこはあのときと違う部屋。

あれから何度、12月がすぎていったのかな。

学園に通うようになって、力をつけて、強くなって。

自分の大切な人を守るために、大切なものが多くなるたびに不安も消えないけど。

でも、大切なものを見捨てることはできない…今度こそ、絶対に。


割れた窓ガラス。

動かない秒針の柱時計。

燃えあがるプレゼントの箱。

熱くて鮮やかすぎるほどの、忘れられないイブ。

表情をなくした人の亡骸、命と心は一緒に消えてしまうから…。



守られるだけでなく、私が守らないといけない。


守りたいときに、守れる力を。

幸せなクリスマスを、また迎えるために。

追いかけて追いつかないものでもいい、私は私の望むクリスマスを探してここにきた。


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