うーんと昔、夜、バイクで田舎まで帰ろうと思い立ったことがあった。
身じたくを整え、多少の旅行用の荷物をまとめ、部屋の鍵をかけ、バイクへ向かう。
国道1号線を下りはじめ、見慣れた街道を走る。
そのうち、いろんなことを考えだす。
明日は学校もあるしバイトもある、とか、世間ではまともと言えること。
そして結局、僕は、「別に行きたくなかったんだし」というぴったり来る言い訳を見つけて、やめることにした。
バイクはまだ湘南にすらさしかかっていない、
そこから何ごともなかったように、Uターンし、家路に着く。
まだ、夜は日付けが変わったばかり。
そこが確かに僕の家かどうかも自信のない、アパートをバイクは目指す。
