展望台からの帰り道にあるフレンチトーストのお店でスイーツとお喋りを楽しんでいた私達だか、閉店の時間を迎えるのでお店を出なければいけなかった。

帰る時が来てしまったと思うと寂しくて仕方なかった。


駐車場に向かう時も当たり前のように私達はずっと手を繋いでいた。

帰りたくないなぁ。その思いは更に強くなり、記憶が定かではないが言葉に出ていたかもしれない。


すると、彼が少し座って話そうかと提案してくれた。私は心の中でガッツポーズをした。


海沿いにあるベンチに座り私達はまたお喋りを始めた。

時折、彼が抱きしめてくれてその間会話は止まったが、気まずさはなく、ドキドキしながらも妙な落ち着きを感じていた。

しばらく何気ない会話をしていると、彼は「俺と付き合ってください」(だったと思う)と言ってくれた。私は迷わず「はい」と返事をした。

晴れて私達は恋人になったのだ。


それからまた色々な話をし、時々抱きしめ合った。

不意に見つめ合うと彼は私のマスクを外し、顔が近づいてきた。

そのまま私達は初めてキスをした。


彼とのキスは気持ちがよくて唇が離れた瞬間、またまた私は寂しさに襲われた。

数回唇を重ねて、彼は風邪気味だから終わりと言った。


がっついてると思われたくなくて我慢したが、まだまだしたいと思った。

女の恥じらいは展望台に置き忘れてきたらしい。


そしてついに本当に帰らなければいけない時間になってしまった。