遅まきながら金田伊功さんのこと | リュウセイグン

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長文多し。

まず、ご冥福をお祈り申し上げます。





金田さんの名を知ったのは高校生の時分『東大オタク学講座』を呼んだ時だった。

全体としての「金田エフェクト」
「金田パース」
「金田オシリ」
「金田光」

とか、そこら辺について語られていた気がする。
正直、アニメはそれほど沢山観ている訳ではないから実際触れたのは僅かなもんだけれど、単に漫画を動かすアニメではなくアニメというジャンルそのものの魅力を創り上げる事に大きく貢献した方だったと思う。

破天荒な作品の多かった80年代が過ぎると廃れてしまったが、『天元突破グレンラガン』なんかは金田さんの孫みたいなもんだ(今石監督はどちらかというと山下将仁フォロワーらしい。で、山下氏が金田フォロワー)


そして現代アーティストである村上隆の作品も金田エフェクトの影響を色濃く受け継いでいる。
この人は色々と批判もされいるが、まぁ漫画のコマやセル画を提出したって必ずしもウケるとは限らないので、ある程度は現代アートとして工夫を加えてはいるんだろう。
ただ、本当に金田さんを慕って作品を作っていたならば、やっぱり墓の前で頭は垂れて欲しい。


個人的にはアーサー・C・クラークとか実相寺昭雄の訃報程には胸に来た訳じゃないけれど、やはり時代が切り替わりつつあるのは実感せざるを得ない。
しかしこういった人々は芸術者だけでなく、技術者でもある。
だから少なくともその技術は残る訳で、下地があればいつか越える素質を持った人間も出てくるだろう。
主流がデジタル作画やCGになったとしても、だ。

そうやって技術を受け継いでいくのが一番の弔いでもあるんじゃないかと。
僕はアニメーターになるつもりは毛頭無いけれど、なにかああいった独特のセンスを応用して新しい物の見方なんかが出来るんじゃないかって気はする。