銃が口より物を言う。
前々から気にはなっていたんだが、漸く観れた。
エリンが妙にマジメな感じになった分、こっちで弾けよう。
いやぁ、なんつーか素晴らしいバカ映画でした。
あらすじとしては「ひょんな事から訳ありの赤ん坊を預かってしまった男が女と逃亡する」みたいな感じだ。
よくあるじゃん、と思った人は正解。
ストーリーはありがちだし、細かいところを見ていけば恐らく矛盾だらけだろう。
しかしこの映画においてそんな物は
そびえ立つクソであり、
両生類のクソをかき集めた値打ちしかありません。
『マッハ!!!!!!!』みたいなもんで、この映画が本当に凄いのはアホみたいな銃撃戦をノリノリでやってのける事。多分銃声が5分間も中断したシーンは無いんじゃないかな。
『ブラックホーク・ダウン』も銃声が多い映画だったが、あれはソマリア。
『シューテム・アップ』は舞台だけで言えば普通の街だ。
そして登場人物のセリフより銃声のが多いんじゃないかと思う。
主人公スミスは自分では銃を持たない(これには理由があるが、他の人の感想を読んで初めて気付いた)
ニンジンを生でバリバリかみ砕き、銃を持っていない時はニンジンを武器にする。
いやマジで。
実はスミスが最初に助けたのは臨月の妊婦で、彼女を守りながらお産を促す。
そう、銃撃戦をしながら「ヒッヒッフー」とかやってるんだよ。
もちろんラマーズ法みたいな呼吸と銃声が絶妙なリズムを刻む。
まぁこれだけでもどんな映画か分かって頂けると思うが、
公演では遊具を銃で回転させ
トイレで落としてしまった銃を手洗い用ドライヤーで乾燥させながら戦い
ベッドシーンでもヒロインと二人合体したまま侵入してくる敵を撃ちまくる
……と日常生活とガンアクションが一体化した様は圧巻。
赤ん坊も
銃規制派議員のニュースを観ると泣き始め
ヘビメタを聴くと大人しくなり
銃を見せると大喜び
というナチュラル・ボーンなボンクラぶりを見せてくれる。
滑りながら撃つシーンや螺旋階段をワイヤーで下りながら回転撃ちなど、バリエーションにも事欠かない。
ラスボス格との対決シーンの決め手には流石に驚いた。
もちろんニンジンも思い出したように凶悪な破壊力を見せつけてくれる。
やっぱ『おくりびと』より『ホット・ファズ』だよな!
という人には是非観て戴きたい映画です(『おくりびと』も好きですよ)
人生ってさ……銃とニンジンさえあれば何とかなるんだな
なんて、明らかに間違った人生観を植え付けてくれます。