上左のモノクロが稽古版。下カラーの舞台写真versionは予約販売だったのが昨日届きました。
週をまたいでしまいましたが簡単に感想など・・
以下、あらすじ入りの完璧ネタバレです。内容をお知りになりたくない方はご遠慮下さいね
大学生のアダム(向井君)は体はむっちり、洋服のセンスもなし。一言で言うとうだつの上がらない男性。
友人と呼べるのも気になっていた存在、クラスメイトのジェニーと
彼女に何も言えぬ間にそのジェニーが付き合い始めたルームメイトのフィリップ、2人だけ。
そんな彼が警備のバイトをしている美術館で知り合った芸術大学の院生、イブリン。
頓狂な行為をしようとする彼女を制止した事がきっかけで、2人はつき合いはじめます。
アダムの外見を整えようとあれこれアドバイスするイブリン。
観られる事を意識せんと2人のベッドシーンの撮影までします。
とまどいながらも応えていくアダム。
イブリンの期待通り、アダムはどんどん洗練されていきます。
そんなアダムに周りの接し方も変わってくるにつれ、彼自身の内面にも変化が起き始めます。
今までなら決して出来なかった(気になっていた娘にアプローチする)事が自然とできるように・・
イブリンの要求は更に高まり、アダムは気圧されながら鼻の整形手術まで。
そんな彼をフィリップが問いただします。「ジェニーと何かあったろう」
その場はキスまでだったと言い逃れしたものの、
その後イブリンに呼び出されるアダムとジェニー。
イブリンの鎌をかけた言動に傷つき去るジェニー。
憤るアダムに「私を好きなら二人と縁を切って」と詰め寄るイブリン。
果たしてアダムは2人よりイブリンを選びます。
そのイブリンが観に来てと3人に招待状を送った自身の発表会。
その内容は・・アダム自身を素材とした外見の変遷を辿るもの。
むっちりしてお世辞にも格好の良い外見ではなかった変身前の彼の写真(目だけ隠れている)と
細身で洗練された変身後の写真を(同)両脇に添えつつ、事の顛末を詳細に発表するイブリン。
「私にとって彼は単なる研究素材でしかなかった
彼に言ったあれやこれやは全て嘘だった」と言い切って。
居たたまれないまま会場を立ち去るジェニー、憤りつつ退席するフィリップ。
呆然とするアダム・・
「研究発表」後、展示室で資料(ベッドシーンを撮ったテープなど)の整理をするイブリンに詰め寄るアダム。
冷たい態度のイブリンを罵りながらも、一片の期待を寄せるアダム。
「なにか、どこか一つくらい真実があった筈だ」
ない、と言い捨て立ち去り際に「ベッドでのひそひそ話・・あの内容だけは本当だった」と言い残し去るイブリン。
もはや誰も居なくなった展示室で、ベッドシーンを撮影したテープをセットするアダム。
大きく映し出された画面を観、早送りでイブリンの言ったシーンを探し出す。
上着を被りへたり込んだまま巻き戻しし続けるアダムの眼前で幸せそうに内緒話をする2人がリフレインする・・
・・な感じで。1度しか観てないので細部違っているかと思いますがお見逃しを・・
演出の三浦大輔さんは舞台ながらリアリティのある空間にしたかったので
絶えず演者の方々とコミュニケーションしつつ作り上げていったそうです。
向井君もアダムについて、ただ言いなりになっているように見えるアダムも
全てにおいて満足している訳ではないんじゃないかとアンバランスな部分を感じていて
その気持ちを上手く台詞に反映できたりする所が自然体という事なのかなと仰ってます。
イブリン役の美波さんがまた良くて。奔放な立ち居振る舞いでアダムを虜にしていく訳ですが
それが全部嘘だったとは…自分の理想とする芸術というものに忠実であり過ぎるという面では
彼女もまた周りが見えていない。まあどう見えようと関係ないんでしょうが。
一応美術をかじった身としてはわからなくもないですが・・モダンアートとかやったもん勝ちだと思ってますし。
そんなイブリンをとても上手く演じてらっしゃったと思います。
最後に言った「あれだけは本当だった」は、もしかしたらアダムを哀れんでの嘘だったのかも…
と思う私は甘ちゃん?(^^;)
アダムはまんまとイブリンの“素材”に選ばれてしまった訳ですが・・
彼女によってもたらされた苦しみをどうするのか・・までは描かれていません。
劇のラストでは未練たらたら(表現が悪かったら失礼)ですが・・
傷をそのまま抱え、元の(少なくとも外見は)冴えないアダムに戻っていくのか
乗り越えて磨かれた内面から滲み出る外見を手に入れ、
イブリンによくぞ僕に試練を与えてくれたと言えるまでに成長するか(こっち希望)はたまた別の顛末か・・
それは観る側の想像にお任せ・・なエンディングな訳です
発表会に呼ばれる下りで顛末の見当はつきましたが…え、じゃあどう終わらせるの
と興味津々でしたが最終的には観る側にお任せだったんですね
どんなに外見ではないと説いても
眼前の煌びやかな美しさには所詮敵わず
けれど外見のみでは何れ飽きがくる。
結局のところ内面から滲み出る外見をこそ見極める事が肝要なのでは・・
う~ん、衝撃的な舞台の括りがこれじゃあ大人し過ぎるかいな?
ちなみに向井くんの主演はゲゲゲ・・の前から決まっていたそうです。
かなり濃厚なキスシーンやベッドシーンがあったからファンの方たちの反応は様々でしょうね・・
そして・・向井君、やっぱ顔ちっさ
変身前のむっちりアダム君はかなり着込んで?体を大きく見せてましたが・・お顔がそのままなんでね~
鼻下から顎までの長さが短くて・・絶妙なバランスですね
以前の記事に嵐の松本君主演のバンビーノ!でいいなと思ったと書きましたね。・
のだめの菊池君の時はふ~ん・・だったので(笑)
結構体当たりなんではと思われる今回の舞台。
今後の彼の活躍が楽しみです
あ・・劇場が違うからなんとも言えませんが・・
開演後お隣の席が空いている方・・いい事あるかも
以上、至らぬ散文に長々とお付き合いありがとうございました
