花に染む 心のいかで 残りけむ

  

  捨て果ててきと 思ふわが身に



歌人 西行法師の歌です。

と言ってもこれを読んだのは漫画でショック!あせる

登場人物の心情に合わせて載っていたんですが

それとは関係なく(失礼)ダー(T_T)ときまして。


どうしてまだ 花を美しいと感じるのだろう

全ての執着を捨てたはずなのに


俗世を捨てて出家した筈の西行が詠むから余計にキます。



心にきたので西行法師のほかの歌探してみました。

下は出家前に詠んだ歌。


世を捨つる 人はまことに捨つるかは

 捨てぬ人をぞ 捨つるとはいふ


出家した人は悟りや救いを求めているのであって本当に世を捨てたとは言えない

出家しない人こそ自分を捨てているのだ


これには・・少し救われました。

俗世は捨てられないけど それでもいいのかな

抱えたままでも なんとかやっていけるかな・・と。


お墓まで持っていかなければならないものを抱えている人は少なからずいる事でしょう。

西行の歌はそんな人達の慰みになってくれそうです。



そんな自然体の彼の歌。月が好きな私はこの歌に共感します。


ゆくへなく 月に心のすみすみて

  果てはいかにか ならんとすらん


どこまでも月に澄んでいく心。果てに自分の心はどうなってしまうのだろう


冴えた月を見ていると 心を全て見透かされ持っていかれてしまうような気持ちになります。

それでも見続けたらどうなるか・・怖くて目を逸らしてしまう自分にはわかりかねますが

美しすぎるものをただ見続けて気がふれるなら、それは本人には幸せな事かもしれません。


が・・気が狂う前にだんなさんのご飯用意しとかなきゃですから。あ~今日も俗世ここに極まれりにひひ