目指す店は飯山駅からタクシーで20分。山間部にあるらしいので帰りの事も考えると、飯山駅でクロスバイクをレンタルして自転車で向かうつもりです。オヤマボクチの繊維を取り出すのはすごく手間がかかるみたいだし、農家でしか食べる事が出来なかったそうなので(実際に『はしば食堂』も営業時間がはっきりしていない民家の佇まい)、『富倉そば』は幻のそばと言われる事があるそうです。
しなの鉄道の車窓に広がる風景は朴訥としていて、秋のそよ風がたわわに実った稲穂を揺らします。もう充分なくらい遠くに来た感じがするけど、『はしば食堂』のある奥信濃は更に山を越えた先らしい。。。
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9月19日、土曜、午後14時、
飯山駅にある観光インフォメーションセンターでこのブログを書いています。北陸新幹線としなの鉄道を結ぶJR飯山駅はクロスバイクや、トレイル用品などをレンタルしていて、アウトドア感が溢れています。フリーのWi-Fiスポットがあったり、ちょっとした時間調整も苦になりません。
飯山駅から『はしば食堂』まで、行きは5㎞以上ひたすら上り坂が続きます。滴り落ちる汗がビアンキのフレームを濡らすのを見ながら、下を向いて30分以上ペダルを漕ぎ続けます。峠を越えてからは下り坂だったけど、途中、堆肥を大量に保管しているところがあって臭かったです。
『はしば食堂』は山間の民家を改築したような造りの店で、旦那さんと女将さんとで切り盛りをしています。お二人の飾らない語り口はお店というよりも、親戚の自宅にお邪魔しているようでもあり、汗だくの僕を座敷のテーブルの一つに迎え入れてくれました。
❹『はしば食堂』長野県飯山市
はじめて食べた幻の『富倉そば』ですが、色はまだら模様というか褐色の濃い部分と薄い部分があります。食感は『へぎそば』のような粘り気というより、むしろ堅いところてんのような透明感やサクッとした噛み口です。
はじめて食べる食感の蕎麦だ。。。
この食感はオヤマボクチ独特のものかもしれないけど、とてもヘルシーな印象です。ツユは市販のものかもしれないし、ネギの切り方もすごく大雑把だけど、でもこれはこの地方で食べられてきた家庭の味なんだと思う。オヤマボクチをつなぎに蕎麦を打つのは大変そうだし、祝いの場であったり、年越しであったり、節目節目で食べられてきたご馳走かもしれない。また、ここでお蕎麦を食べる機会があるかどうかわからないけど、僕は『富倉そば』の事を忘れる事はないと思う。
壁にかけられた古そうな蕎麦打ち風景の白黒写真を見て、僕は想像以上に長野県のそば文化は奥が深いんだと思った。
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9月19日、土曜、午後17時15分、
東京の東長崎にある『手打ち蕎麦 じゆうさん』の店先で並んでいます。ここは東京都のそば部門で食べログポイントが一番高い(4.23点)お蕎麦屋さんです。他にも亀有にある『吟八亭 やざ和』(4.17点)という店も評価が高いんですが、この二軒のお店は千葉県柏に本店のある『竹やぶ』で修業をしていたので、『竹やぶ系』と呼ばれたりします。
そもそも『竹やぶ』のご主人は短い間ですが『池の端 藪蕎麦』で修業されているので、そういう意味では静岡の『藪蕎麦 宮本』に相通じるものがあるかもしれません。
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9月20日、日曜、午前2時、
上野にあるホテルの一室でこのブログを書いています。『手打ち蕎麦 じゆうさん』では、冷酒を一合、ぬる燗を一合と、玉子焼き、蕎麦がき、田舎せいろを食べました。
この店の一押しは田舎せいろなんですが、2皿しかなかったようで、ほとんどのお客さんが断られていました。。。(^_^;)
玉子焼きはふっくらと焼かれただし巻きで、キリッとした冷酒とアツアツの玉子焼きのコントラストは絶妙です。蕎麦がき(長野産)はミルしたそば粉だそうですが、軽い口溶けと鼻に抜ける香りが感動的で、ぬる燗を飲みながら悶絶するレベルです。そのままでも、お塩でも、お醤油でも、それぞれの美味しさがあって、改めて蕎麦がきの美味しさを実感しました。荒くミルされたそば粉には、つぶつぶが残っていて、とうもろこしのような、温めた豆乳のような、そんな蕎麦の香りは優しく余韻を口に残します。
❺『手打ち蕎麦 じゆうさん』 東京都 その1
田舎せいろは茨城産のそば粉を手挽きしているそうです。そば殻のつぶつぶがアクセントになっていて、こちらは蕎麦がきよりシャープな余韻を残します。凛とした麺は細く確信に満ちていて、なぜかフカヒレを連想しました 笑!
❺『手打ち蕎麦 じゆうさん』東京都 その2
それほど滑りを感じないのに、微かに香りが抜ける蕎麦はとても洗練されていて、技術の高さと店主の理想への追求を感じます。
感動的に美味しい♫ さすが東京No.1![]()
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9月20日、日曜、午前6時30分、
上野駅の8番ホームで『特急ひたち1号』を待っています。
今朝は久しぶりに浅草寺~上野駅をジョギングしました。それは当時の基本のジョギング・コースで、人影のまばらな仲見世通りを走るのはとても爽快です。交通量の少ない仏壇通り(このストリートには山口もえさんのご実家がやっている仏具店が何店かあります)を通って浅草寺へ。。。
僕がNo.1イケ犬に勝手に認定した狛犬は、昨年と変わらず浅草神社の前に鎮座しています。
やあ、久しぶり。あれから一年、ようやく向こうの暮らしにも慣れてきたよ。
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
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これから特急電車で日立まで移動して、レンタカーで常陸太田市にある『慈久庵』というお蕎麦屋さんに行って、それからレンタカーで宇都宮駅まで移動、今度は新幹線で山形まで行く予定です。
蕎麦は長野や北海道の他に、茨城でも栽培されていて、特に常陸太田市は常陸秋そばの聖地と言われています。そして昨日の『じゆうさん』だったり、長野の『せきざわ』だったり、美味しいと評判の店は茨城産のそば粉を使っていることが多いので、僕は今回の旅の中で多少回り道をしてでも常陸太田市に行こうと思っています。そこは西日本から旅をする者にとっては、びっくりするくらいアクセスの悪いエリアだけど、直感的に行く価値がありそうな気がしたし、『慈久庵』はずっと気になっていたお店だからです。
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9月20日、日曜、午前7時45分、
ぼんやりと車窓を眺めています。関東平野は迫りくるように緑が生い茂っていて、低く厚い曇り空の下で真夏の勢いを依然たもっています。
ふと、僕は今回の旅で何を見つけようとしてるのかを考えています。そして、自分が本当はどうしたいのかと考えてみたり。。。
こんな自分探しの旅を何回か続けてきたけど、僕はようやく答えに近付いているような気がします。それはまだ、ぼんやりとしていて姿を見ることも、そこまでの距離感もわからないけど、はっきりと存在を感じることが出来ます。
僕が抱えている喪失感や心の空白は紆余曲折を経て、ようやく修復されつつあるのかもしれません。
①父の死
②離婚と別離
③失恋と挫折
人生というSTORYの中で、そんな喪失による心の空白は、1つの章に過ぎないような気がします。そして、そんな空白の期間でも、STORYは書き留めることなく続いていて、、、確かなのは(言葉に出すかどうかは別として)、みんな、人生の意味を見つけようともがいている、という事なんだ。
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9月20日、日曜、午前8時40分、
日立駅に隣接した『SEA Bℹ︎RD CAFE』のカウンターでコーヒーを飲んでいます。目の前には太平洋が横一面に広がっていて、押し寄せる波の水飛沫も間近に感じます。
茨城県は水戸納豆とか水戸黄門とか、そんな一般的なイメージの他に、ネモフィラが丘一面を紫色に染める『ひたち海浜公園』など見どころが満載で、魅力のない県というイメージはありません。何と言っても、水戸市内では色んな納豆が売られていて、いつもスーパーで買ってるものより美味しい気がします。
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9月20日、日曜、午後2時20分、
新幹線の指定席がとれなかったので、とりあえず郡山行きの新幹線に飛び乗りました。これから(福島で乗り換えて)山形駅に向かって、その後、月山を目指します。
常陸太田市にある『慈久庵』(食べログポイント:4.05点)は、バンジージャンプで有名な竜神大吊橋の近くにあります。人気店らしいので、開店1時間前の10時30分にトップバッターで並んでいたら、11時前にお店を開けてくれました。
僕『そば粉は常陸秋そばですか?』
小川さん『常陸秋そばって言えば、常陸秋そばだし、水府そばって言えば水府そばだし。。。』
店主の小川さんは微笑みながら、そう答えてくれました。実はここのお店で使っているそば粉は、常陸太田市の水府地区で小川さんが手作りしたものです。小川さんは焼畑農法で蕎麦を栽培して、蕎麦を手で刈って天日乾燥をして、石臼で粗挽きにひいて蕎麦を打っています。『慈久庵』の蕎麦は、そんな小川さんの一環した想いがこめられていて、、、
❻『慈久庵』 茨城県常陸太田市 その1
ほんの少しのつなぎで打たれた蕎麦は若草のような自然な香りが微かに鼻を抜けます。そして細くて繊細な麺は、箸で持ち上げると時折からむくらいです。小川さんは自分が栽培した蕎麦に愛情をもっていて、とても優しく打っているからかもしれません。
❻『慈久庵』 茨城県常陸太田市 その2
そして小川さんの育てた常陸秋そばも、出過ぎず控えめに個性を主張していて、それは、蕎麦がきの優しい口溶けと香りに感じることが出来ます。
人は食べ物を通じて、愛情を伝えたり、それを感じとったりします。でも、その愛情は見つけようとしなかったら、気付く事がないのかもしれません。
小川さんの打つ蕎麦には優しい愛情が込められています♫
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9月20日、日曜、午後6時、
山形駅から高速バスに乗って、月山方面に向かっています。山形には信州とは違った、固くて太くて黒い蕎麦を食べる文化があって、僕は、この旅の最終目的地として月山の麓にある『出羽屋』を選びました。
そこは日本における山菜料理発祥の店とも言われていて、山形における『そば』の食べログポイントも山形県No.1(3.69点)です。
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9月20日、日曜、午後10時30分、
旅館『出羽屋』の鳥海という部屋で、このブログを書いています。広い部屋で一人眠るのは寂しくて、先ほど女将さんに頼んで便箋をもらってしまいました。。。(^_^;)
出羽三山は古来から山岳信仰の対象となっていて、その中心の月山は頂に月読命を祀っています。『出羽屋』はそんな山岳信仰の行者に山菜料理をもてなす店としてはじまり、月山山菜そばは、この宿の名物です。胡麻和えや天ぷら、おひたし等等、様々にアレンジされた山菜料理を堪能した後、鉄鍋にツユをいれた『山菜そば』が登場します。
❼『出羽屋』 山形県西村山郡西川町
鶏の出汁が効いたツユにざるそば風につけて食べたり、かけそばみたいにツユをかけてみたり、お鍋に入れて煮込んでみたり、太く強く打たれた麺はどう調理しても負ける事なく存在感を保ちます。以前、山形市内で食べたざる蕎麦は顎がだるくなるくらい固かった印象(山形一番の老舗らしいけど正直美味しいと思わなかった。。。)ですが、『出羽屋』のそばはコシはあっても固くはないし、そばの香りも立っています。長い歴史を通じて洗練れてきた山菜料理は、自分のスタイルを押しつけようとするのではなく、旅人を喜ばせたいという「もてなしの愛情」に溢れているような気がします。
熱々で食べる山形そばって、めちゃめちゃ美味しーっ!!
沢山登場する山菜の名前、1つ1つはわからないけど、さりげなく入っている松茸にびっくりしてみたり、、、月山の山頂まで登ってみたいし、いつかもう一度、この宿に帰ってきたいな。その時は、一人じゃなく誰かと来たいと、心から願う今日この頃です♫
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9月21日、月曜、午前4時、
昨日、飲んだ地酒の影響で、ぐっすりと眠れました。さっき自然に目が覚めて、しばらくしたら軽くジョギングをしようと思っています。
dragon・sky・moon・reader
さっき久々にこの4つのキーワードを想い出して、ゾクゾクしています。それはだいぶ前に見た不思議な記憶ですが、僕は『月読命と一緒に竜が舞う空を飛ぶ』夢を見た事があります。とても印象的な夢だったので、目覚めてからもはっきりと覚えていたんですが、、、
竜神大吊橋からのダイブ → 月読命を祀る月山
の流れには、気が付くとこの4つのキーワードが含まれていて、、、箱根→小田原で感じたゾクゾク感を思い出します。
前回は大切なものに気付く事が出来て、挫折から復活するきっかけになった気がするけど、今回、僕が気付いたものは、別の意味でかけがえのないものかもしれません。
そして僕は漠然と護られている感覚もあって『竜と月読命』のセットに関して、特別な力をもらっているような気がします。不思議な感じがするけど、それは蕎麦とも結びついていて、そして僕は蕎麦に対して特別な関心をもっています。
『竜と月読命』は僕を正しい方向へと導く。
今回が二回目だ。。。
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9月21日、月曜、午後1時、
山形空港で帰りの飛行機を待っています。朝ジョギングをしていて知ったんですが、『出羽屋』がある沼山地区は竜神伝説の地だそうです。
丘の頂には竜神を祀る大沼神社があって、長沼の湖面は鏡のように森を反射しています。
時々不思議なつながりを感じることはあるけど、1つ1つのピースが連鎖し合って、人生のSTORYは展開していくのかもしれません。。。
LET IT BE ☆彡














