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戦場である荒野には晒されたままの死体が地面を覆い、死肉を食らうカラスの群れがざわめくばかりだ。
そんな中、薄いさくら色の衣にくろがねの鎧を着た少女が細く長い剣を持ち、端正な顔をしかめ立っていた。
「これはどういうことだ?私が受けた報告なら村民は皆避難したと・・・。」
腐臭と色々なものが焼けた匂いがあたりに充満している。
まるで地獄絵図みたいだ。
此処は今じゃ分からないが村だったのだ、つい最近までは。
しかし隣国との国境にあるためついに戦禍に巻き込まれた。
「くそ、ハルキゲニアどもの仕業だな。」
リードルド国の騎士団、ハルキゲニア。
私たちオールドローズが長年戦い続けてきた野蛮な男たち。
許せない、何の罪もない村民を皆殺しにするなんて。
「おや、貴方はオールドローズの・・・団長サマですかね?」
後ろをバッと振り向くとそこには一人の男が。
確かコイツはハルキゲニアの魔術師とかいう。
「よくものこのこと顔を出せたな、ハルキゲニア。」
「おっと、つれないこと言わないで下さいよロゼッタ様?私がやったわけではないんですから。」
はは、と少し困り顔をしてみせるこの男、こいつはデオーラ。
いつも無害そうなことを言ってるが本当は冷徹で残忍な最悪な男だ。
私はこのいやに紳士的な態度も酷く気持ち悪いと思う。
「お前がやったわけではなくても‘お前がやらせたんだろう’?それで、そっちの団長サマからの伝、はやく言え。」
「これはこれは・・・。なんでもお見通しというわけですね。」

