小町からのコメント
小町のブログにコメントを残してくれる貴方
小町もそんな貴方のブログに毎日遊びに行くようになる
でも
貴方のブログはマニアックなものなので
なかなかコメントを入れることが出来なかった
そんな或る日
貴方のお仕事で或るイベントが開催されることが書かれていた
私の住んでいる町からそんなに遠くない
行ってみようかな・・・
何故かそう思い
コメントを残した
貴方からのコメレスには
「 お待ちしていますよ 」
自己破産の選択
休みなどない毎日
本来の仕事は勿論
時間があればデリヘルのバイト
デリヘルのバイトは
お客さんがつかなければ収入は無い
お茶を引く時もあれば
1日で10万近くの収入になる時もある
幸か不幸か
わかばの私にはリピーターさんが多かった
とにかく
働く事
娘との生活を守るために
それだけだった
そんな或る日
体が悲鳴をあげた
急性胃腸炎
救急で病院に駆け込み4時間の点滴を受け
それでも会社の仕事に出た
だけど体の悲鳴は治まらない
それでも仕事に出た
休んだら収入が減る=返済が出来ない
仕事に出る度に体は悲鳴をあげる
結局最後は
診断書が出され1ヶ月近く
会社もバイトも
休まざる負えなくなった
そして
返済も ・・・ 出来なくなった
1番避けたかった自己破産
決断の時が下された
もう
この道しか
方法は無くなった
コメント
小町というもう一人の自分は
わかばである時間を
ブログで書き綴った
書くことで
自分を一人の人間ー女としてではなく
単なる
性欲を吐き出す為の道具として扱う男に
仕返ししていたのかもしれない
そして
男なんて
男なんて
と
叫んでいたのだろう
そんなある日
貴方からのコメントが入った
記事の内容には触れず
紳士的なコメント
こんな私を
どこか温かい眼差しで
見ていてくれている
そんな空気を感じた
他の人には感じない
何かを感じた
ブログ
風俗の世界に入り
毎日泣いた
初めて会う見知らぬ男達に
自分の裸を見られ
触れられ
弄ばれる
初めて会う見知らぬ男達の
性欲だけの体に触れ
性欲が果てるまで
奉仕する
そこには
「愛」
など存在することはなく
「欲」
だけの世界
辛かった
そんな時親友にブログを進められた
書いた
自分の記憶から抹消したい筈の時間を書いた
面白可笑しく書くことで
不思議と気持ちが楽になった
ブログというバーチャルな世界の中で
私は
「小町」
になった
風俗
男に騙され
借金の肩代わり
色々な口実で泣きつかれ
お金を工面
返すという言葉は実行されることはなかった
気が付けば
自分の生活が出来なくなっていた
今度は自分の生活の為に
お金を借りる
自転車操業
そして
その自転車操業も限界
結果
風俗の世界に
46歳になって
デリヘル嬢「わかば」になった
返済の為に 生活の為に
働かなくてはならなかった
もともとの仕事をこなし
休みの日も仕事の帰りも
バイト バイト バイト
「わかば」という源氏名で
生まれて初めて
お金の為に
見知らぬ男に抱かれ
奉仕する女になった
「わかば」となり仕事に向かいながら
いつも いつも
泣いた
「わかば」から本来の自分に戻る時
いつも いつも
泣いた
自分の人生を
諦めた
