昨年のクリスマスイブ。
24日の夜。
夕花は定時と同時に会社を飛び出した。
スーツ姿のまま、コンビニでフライドチキンとフライドポテトとイチゴケーキとココアを買って
急いだ。
老人ホームに到着して、閉まっている入り口を開けてもらう。
夕花「ばあちゃん、夕花だよ。来たよ~!!」
部屋でテレビを見ていたばあちゃんはきょとんとした顔をしている。
仕事が忙しくて、数ヶ月会ってなかった。
「メリークリスマス♪」
言いながらコンビニの袋からケーキを出すと、
ばあちゃん「もう食べたよ」
夕花「んじゃ、冷蔵庫入れておくから、明日誰かと食べてね。2つあるから、全部は食べちゃダメだよ」
ばあちゃん「今日はそんなの配るの?」
夕花「・・・・・・・・」
ん?まぁ、いいか。
夕花「フライドポテトとチキンは?食べる?どうする?」
ばあちゃん「ありがとう、夕飯口に合わなくてあんまり食べなかったの」
はむはむ。
はむはむはむ。
2人でチキンを食べて。
あんまり油っこいものは、食べちゃダメだから、
1個のフライドポテトを一緒につまんだ。
ばあちゃん「おいしいねぇ」
夕花「おいしいね~!」
ばあちゃん「ねぇ」
夕花「うん?」
ばあちゃん「あんた誰?」
夕花「・・・・・・・(・∀・)」
ばあちゃん。
この数ヶ月の間に、目が悪くなり耳も聞こえなくなっていた・・・・・・o(;△;)o
しかもスーツ姿の夕花だったから余計わからなかった・・・・・・・(ノ◇≦。)
「夕花だよっ!!」
と言ったら、笑い出した。
ばあちゃん「あ~、夕花ちゃんかぁ(≡^∇^≡)」
ばあちゃん。
ごめんね。
今年は、できるだけ遊びに来るよ。
そして、一緒に遊びに行こうね。
知らない人だから
職員なのだと思っても
一緒にフライドポテトをつまめるだけの
信頼と安心をばあちゃんに与えてくれている
老人ホームの職員の皆さま。
本当にどうもありがとうございます