腎臓くんが逝ってしまう。

こんだけ盛大に手術をして体をいじくりまわしたので腎臓くんがビックリして機能を停止していました。1日に尿が200ccも出ていませんでした。おしっこが出なくなると尿毒症といって血液の中に老廃物がたまり大変なことになります。今回の入院で学んだことの1つにトイレをするという行為がこんなにも大切なのだと思い知らされました。

なので首の動脈から24時間の透析をしていました。この透析が本当に苦しくて・・・。首が自由に動かせないので寝れないし違和感バリバリだしで苦痛で仕方ありませんでした。何より管を毎日交換、消毒をしてくれていたのですが管の中に血栓ができ根元の動脈から管を交換することが何回もありました。未だに透析機械のエラー音がトラウマです。深夜に突然鳴ったりして恐怖でしかなかった。そしてカテーテル検査で慣れてるとはいえ首元への麻酔痛いよ・・・そしてICUでは処置はその場でやります。カテーテル室にいちいち移動とかしてられないものね。だからなんか手術室やカテーテル室以外で麻酔を使う処置をされたのが初めてだったので違和感バリバリでした。

私は元々腎臓が全く悪くなかったので腎臓くんはこの後、徐々に回復して元気になりすぎて尿を出しまくり脱水症状になります

1日中、水のことを考えて終わる。

欲求の中で最も強く常に付きまとっていたのが「水を飲みたい。」というものでした。肺移植後、すぐに水を飲むと「誤飲」といって肺に水が入っちゃったりすると大変なことになっちゃうんですね。だから目覚めて数日たっても水は飲ませてもらえませんでした。点滴でたくさん水分が体には入っているんですけどそーいうことじゃない看護師さん達がうがいをさせてくれたり口の中に水の含んだスポンジで濡らしてくれたりしてくれてたのですが砂漠に一滴の水を垂らしたところでそこは砂漠です・・・常に口の中が乾燥していました。うがい、はみがきだけが楽しみでした。

目覚めて5日後ぐらいに「水を飲む練習しましょうか。」って先生から言われた時の私の衝撃たるや耳鼻科の先生監視のもと嚥下訓練をしました。久しぶりに飲む水は最高だったと言いたいところですが、まだ鼻にぶっとい管が入っていたり、人工呼吸器がついていたりするのもあってあんまりうまく飲み込めずにむせそうになったりで中々大変でした。でも精神的な喜びはすごかったです。この写真はICUで氷水を初めて飲んでヒャッハーってなっているときですね。

マジで自力歩行できてたら部屋の中にあるこの蛇口からジャブジャブ水のんでやるってぐらいには飢えてました。でも自力歩行できるならICUから一般病棟にとっくにうつされていると思います。この蛇口の存在が憎かったなぁ・・・。水が飲めるようになるまで蛇口から水滴がポタポタ垂れる音の幻聴が聞こえるぐらい水に対しての欲求が強かったです。

同じく嚥下訓練としてゼリーも食べさせてもらいました。これは臨界点突破するぐらいうまかったです。

果汁のうまみが体にしみわたる・・・。おいしすぎて泣きそうになりました。耳鼻科の先生に「もっと食べたい！」と欲求して1つ丸々食べちゃいました

簡単にできていたことができなくなる。

まだまだ水分制限があるのですが水が解禁になったことにより口から薬を飲む練習も開始されました。今までは鼻の管から水で薬を溶かしたものを注入されていました。

ハッハッハ。私は肺高血圧症ぞ毎日どんだけ薬を飲んでいたと思っているんだ。薬を飲むのなんて得意だぞと余裕をぶっこいていたのですが薬を飲むと吐いてしまう現象が続いてしまいます。このように術後数か月は当たり前にできていたことができなくなってしまいます。術後はじめての挫折を味わいました。この事実がショックで泣きました。

本当に薬を飲むのが苦痛でした。飲み込むのが難しいし量が多いし玉も大きいし・・・。どれぐらい苦痛だったかと言うと薬を飲む時間が近づくと脈が異常に早くなり先生を呼び出して点滴から薬を注入して脈を強制的に遅くさせてたぐらいには苦痛でした。そして肺高血圧症時代と移植後に飲む薬は全然種類が違います後にまた話しますが免疫抑制剤というものです。そんな時に救世主が現れます。

オブラートくんです。私は丸型のを使っていましたがゼリータイプなどもあります。こいつが本当に優秀で助かりました。こいつのおかげで薬を飲むたびに脈が速くなったり具合悪くなることはなくなりました。

簡単にできていたことでできなくなった事は覚えている限りこんな感じです。

・座る、立つ、歩く

・横向き、寝返り

・あくび

・スマホの片手操作

ICUに居た頃はなぜかあくびができなくしようとしても変な感じに収束して気持ち悪かったです。言葉では表現できないんですけど・・・くしゃみをしようとして出ないときってあるじゃないですか。それに近い感覚かも。あと鼻水とかクシャミといった生理現象も一切なく変な感じでした。

たくさんの輸液。

このように常にたくさん輸液をしていました。でも術後すぐの時はこの4倍以上あったと母は言っていました。また手首の動脈に太い針が刺さっていてそこから1日3回ぐらいは採血していました。意外にもこれが楽で痛い動脈採血を何回もしなくて済むのです。ICUから一般病棟に移動する時には輸液ポンプも3台ほどで毎日徐々に抜けていきました。

ICU編まだまだ書きたいことがある・・・長いですがお付き合いください

ICUでの体の変化など。