万巻の書を読み千里の道をゆく。
by 富岡鉄斎
本を読むことを旅に例えることがあるけれど、それはあながち間違っていない。
それは自分の中への旅だから、そして筆者の中への旅だから。
1冊の本が千里の思想の原を駆けめぐる。
「素晴らしい読書と素晴らしい人生を!」
僕はそう思い、今日も本を手に取るのだ。
※このブログは自己中心的ブログです。僕の駄文、誤字脱字、勝手な感想に耐えうる方のみご覧下さい。
彼の漫画があるだけで、僕は幸せ。
- 僕の小規模な生活(2) (モーニングKCDX)/福満 しげゆき
- ¥740
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◎内容
駆け出し漫画家”僕”の毎日。笑って、そして身につまされると、モーニング連載中から大評判!人間関係の軋轢こそがマンガの母だった!
単行本1巻が出て、書店様用にポップを作って、他誌の編集者から声をかけられて……。
巷でかなり評判の「マンガを描くマンガ家のマンガ」、1年ぶりに続刊登場です!
◎感想
昨日から続く、福満先生特集。そういや僕が作者や筆者に対し、“○○先生”なんていうことは珍しい。それだけ、この本で福満先生に魅了されたのだ。ただ「一気に読みすぎると飽きがくるよ」、そんな声が心の奥からムズムズと這い上がってきている今日このごろ。
1巻があまりにも自分のダーク部分を曝け出してた割には、2巻では比較的綺麗に上手くまとまっているような気がする。それは漫画の中心が、奥さんを描いているからだろう。いくら福満先生の僻みや弱気を聞いていても、その後味の悪さは奥さんの1言・1行動で全て洗い流されてしまう。それだけ奥さんの個性が強く、また“霧が峰”並のマイナスイオンを、彼女は出しているようだった。
前巻の毒々しさが妙に好きだった、僕には今巻は少し物足りない。寂しい気がした。妻もスゴいが、福満先生の個性だってスゴイのだ、半端ない。奥さん中心漫画になってしまうのは、福満先生の彼女への愛が強いから……。そうも書けるが、それでいいのか福満先生!「ほのぼのエッセイマンガ」道、まっしぐらではないか!!
ただ誤解をしないで欲しいのだが、僕はそれでも福満先生と愉快な漫画たちが大好きだ。先生のダークさは人を幸せにする(この僕だけ?)。最近の漫画特有の感動や清々しさは全然無いけれど、やっぱり福満先生の書く世界は、現実でいて現実ではない、それがなかなか上手くいかず、そこがまた楽しいのだ。特に2巻では、『GANTS』の奥浩哉さんに会うまでの下りが面白かった。必見である。
福満先生は、いつも読者が離れてしまうことを恐れている。日々の生活でハラハラビクビクしている、それが漫画を通じて伝わってくる。そこまで心配しなくて大丈夫さ、僕は先生を離れんぜ。なんで次は『僕の小規模な生活③』のレビューを載せるぜ、乞うご期待だぜ!
卑屈、怠惰、諦め。
- 僕の小規模な生活(1) (モーニングKC)/福満 しげゆき
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◎内容
駆け出し漫画家”僕”の毎日。笑って、そして身につまされると、モーニング連載中から大評判!人間関係の軋轢こそがマンガの母だった!
笑って、そして身につまされると、モーニング連載中から大評判!人間関係の軋轢こそがマンガの母だった! 「マンガ家志望の人は、読んでおいて損はないですよ!」――(福満しげゆき) 業界人がみんな読んでいる(らしい)「マンガを描くマンガ家のマンガ」いよいよ刊行!
◎感想
最近、寒くなってきたこともあり風邪気味である。鼻水が止まらない、頭も痛い、朝目覚めても何か気が乗らない。“体が資本”なんて、言葉があるけどその言葉の真意を痛感している、今日このごろ。ただいつまで経っても更新しないと、このブログもインターネットという大海の中で、忘却の彼方へと送られてしまう。忘れられることほど、悲しく虚しいものはない、ミニ四駆然りたまごっち然り、はたまたウーパールーパー然りである。なんで、重い重い腰を上げブログを更新している。誤字脱字、勘弁で読んでもらいたい。ちなみにブログは嫌いなわけではない、ここほど自分を晒している場所はない。
さっきも書いたが、最近気が乗らないことが多い。11月病なのだろうか?朝ごはんすら食べるのが、億劫なときがある。「何か病気かしら?」なんて考えることもあったほどである。
そんな不安定な心情で、読み開いたこの漫画は僕の心を癒し、大いに元気づけてくれた。どんな万巻をもってしても癒えなかっただろう僕の心は、今、「ブログを更新しよう」という気持ちを生じさせてくれた。福満先生に、ただただ感謝である。
内容はひたすら福満先生の、私生活が漫画になったものである。奥さんの表情・行動・セリフももちろん興味深く魅力たっぷり(肉感たっぷり)なのだが、それ以上に卑屈でネガティブで言い訳ばかりの主人公に興味がそそられる。エリートを見たら卑下し、相手にどう思われてるか考える度に胃を痛め、辛いことは出来るだけ避けようとする……、典型的なダメ男だ。そこには漫画特有の夢や希望、勇気などの言葉から遠く離れた世界だった。ただそんな世界が何か新鮮で、味わったことがなかったもののように感じた。「こんなに赤裸々に、自分を語れる人もいるんだ」と、羨ましくもあり、世渡り下手に同情している自分がいた。
楽しく読んでいたが、一抹の不安が心をよぎる。「自分もこの主人公みたいな、卑屈な顔をしてないかしら?」
急いでスタバに入り、そこのトイレで自分の顔を鏡に映してみた。目が大きいところと垂れ目なとこは似ているかもれない、ただそれだけ。そこに映った顔に、主人公のような冷や汗や目の下のくま、悲壮な表情は無かった。福満先生に失礼だが、よっぽど自分の方がまだ良い顔をしている。そこのスタバでドリップコーヒーを飲んだ。それがいつもより美味しく感じ、豊かな時間だったことはもちろん言うまでもない。
どこまでもロマンチック。
- マボロシの鳥/太田 光
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◎内容
ここに似たどこかで、僕たちに似た誰かに起きた“9つの奇跡”。爆笑問題・太田光、ついに小説家デビュー。
荊の姫/タイムカプセル/人類諸君!/ネズミ/魔女/マボロシの鳥/冬の人形/奇跡の雪/地球発……
◎感想
爆笑問題・太田光、読書家でも有名である彼の処女作は、かなりロマンチックだ。全てが美しく、彼の繊細さが伝わってくるような短編集であった。こんなに透明で純粋な作品で、彼の芸人生活で影響が出ないことを祈る。
全部で9編、それぞれにそれぞれの違った作品色があって興味深い。何ゆえ、こんなにも変わった作品を作りえたか?彼への興味は尽きない。
太田光らしい作品といえば『人類諸君!』、語り口調で展開されるトークはビートたけしを彷彿とさせる。人類の危機に直面した風間奇一朗先生の大演説は、わかりそうでわからない、それがなにか癖になる奇妙な感覚を受けた。特に「人類諸君!神こそ、我々の天敵だ」と声高々宣言した場面は、ある意味清々しい気持ちになれた。そんな言葉を語らせる作品はあまり見ない。太田光らしい、ぶっとんだ展開が作品が楽しめる作品だった。『地球発……』は、あの作品とあの作品の“その後”が描かれた作品。2人が同じ銀河鉄道に乗っている展開、彼の文学愛が感じられた。『ネズミ』にも、あのドストエフスキー作品で有名な“彼”も登場している。
全編にわたって、所々で宮沢賢治など、かつての文豪の影を感じることが出来る。多少、文学に嗜みのある人はそれを探して、ほくそ笑うこともできる。
あとは、今後の作品で太田光がそれら文豪の影を脱却し、どう彼らしい作品を築き上げるかが問題である。さらに「……」の記号を、いかに減らし彼らしい言葉を紡げるか。「……」の多用は読んでて、あまり気持ちいいものではなかった気がする。今後も太田光作品を、追っていくつもりである。
