会えなくなってから
親に否定され続けて
たくさん泣いた。
たくさん苦しんだ。
とても発狂した。

たった1ヶ月半。
カレンダーで見れば
短く感じてしまう日数。
だけど
私の中では
一分一秒が長く
3年ぐらいに感じた。


全ての苦しみを乗り越えた今。
見慣れたビルの前に立つ。

手は震えていた。

ただ、予想外なことが起きた。
両親が前に立っていた。

引き止められるかと
連れ戻されるかと
一瞬逃げようとしたが
私は立ち向かうことにした。

そして叫んだ。
「私は行くから!」
「連れ戻そうとしないで!」

10月26日。
風俗とホストに行ってることがバレた日。
あの日は父だけがビルの前に立ってて
「ホストはあかんねん!」
と怒鳴られ
連れて帰らされた。
その日を思い出させたが
母は思いがけないことを言う。

「行っていいよ」

ホストに行くことを認められた瞬間だった。
はっきりと。
こんな日がくると思わなかったから。
私はただただ親不孝者だと感じた。


こんな子になってごめんね。
親からしたら
ホストに貢いでる娘なんて
見たくないよね。

だけど
それが私の選んだ道。
私の生きがい。

やっと心の底から
認めてくれて
和解した。

少し話をしてから
私はエレベーターに乗り込む。
少し複雑な気持ちを抱きながら。

ため息をつく。
やっと会えるという時に
こうなるとは思いもしなかった。

送り出してくれたことは嬉しかったが。



そして久しぶりの店の扉を開けた。
懐かしの場所。
毎日通いつめていた場所。

以前仲良くしていた従業員が
通りかかって
私に挨拶しようとし
私に気づいた時

「たんたんめん!?????」

みんな驚いて私を見る。
そして

「おかえり」
と言ってくれた。


1ヶ月半も行っていなかったのに
こんなみんなが待っててくれたことが
とても嬉しかった。

みんな
「ええええええ?!」
と驚いてる姿が滑稽だった。



そして主役の登場。

そうなんだよ、
驚いて当たり前なんだよ。

だって
今日はサプライズできたから。

ずっと会いたかったんだから。
あなただけに。


久しぶりにみる彼は
とても大人びて見えた。

知らない間に成長しちゃって。
もう追いつけないよ。
頑張って追いつくけどね。


席に着くと、
挨拶回りで
ほとんどの人が
私と話してくれた。

なんと言っても
店で1番うるさい客なんでね。
神客なんでね。

1ヶ月半というブランクがあっても
こんなに盛大におかえりと言ってくれるなんて
私はどんだけ幸せ者なんだよ。

そしてね
前と変わらずに
騒ぐ。

ほんとすごく楽しい。
ずっとこの日を待ってた。

新人の子がヘルプについてくれたから
その子とずっと喋っていた。

あーー楽しい。

私がスカウトして店に入ってくれた子も
すごく成長してる。
今ではシャンパンおろしちゃってるよ。


シャンパンコールも
ちゃんとしたよ。

当たり前じゃん。


ここが私の居場所なんだから。


もう幸すぎてもう言葉がでない。
かけない。

って感じで
今日も行ってしまいそう。


とにかく
幸せなひとときだった。

親も応援してくれて
私はこれからも
彼の隣で輝き続ける。


売上エースの子に勝てなくても
私は私なりに全力で
彼を支える。
彼を幸せにする。
そして私も彼と幸せになる。


これから
もっとたくさん笑おう。

隣にいてね。



たんたんめん。