昔々。

 

世界に神様が「マナ」という不思議な力の素を下さったころ。

その力を求めて、魔物の軍隊が地上界に攻めてきました。

マナの使い方をまだよくわからなかった地上人たちは、ただ怯える事しかできず、地上界は魔物のなすがままになっていました。

 

そんな時、地上に一人の若者が現れました。

その若者はマナを手足のように自在に扱い、超人的な力を以って、瞬く間に魔物たちを退けていきました。

なによりその若者には、力だけではなく、無数の魔物たちにも怯むことなく立ち向かう、勇気がありました。

人々はその姿を讃え、勇気あるものー勇者ーと呼ぶのでした。

 

 

「勇者さまの力によって魔物の群れは退けられ、地上界には平和な暮らしが戻ったのでした。

おしまい。」

 

「母さん、勇者様はそれからどうなったの」

少年は当然の疑問を口にした。

母はいう。

 

 

 

 

「そうね・・・・・

 

ずっと幸せに暮らして、いるといいわね」

 

 

 

 

「勇者アダムと黒ィ騎士」