記事を読んで驚いた。
内閣官房参与の吉村氏は首相に対し、婚外子の割合が高い欧米諸国の状況など、多様化する家族形態について説明したこともあるとのこと。このような助言を受けながら、家族の多様性はちっとも進まなかったのだなと。
この話をすると結構びっくりされるけれど、私と元夫は婚姻届を出さなかった。
法的には結婚しなかったけれど、結婚式と親戚や職場の人に来てもらっての披露宴はしたので、社会的には結婚した。
なぜ婚姻届を出さなかったのか?
当時出身大学の先生が、大学を相手取って旧姓使用を争っていたり、
リベラルな知人が事実婚だったり、
法律上、婚外子差別があったり、
ヨーロッパでは事実婚が30%~40%、法律婚はそうするのが有利であるからするのであって、対する日本は法律を規範と考える社会であるというのを読んだり(たしか、中根千枝先生)、、、
いろいろあったけど、姉が『結婚して姓が変わるときに自分が死ぬように思った』と言ったのが決め手だったような気がする。
母は『そんなことして・・・。』という反応だったが、特に反対はしなかった。
父は、私のやっていることを実は喜んでいた。姓が変わらないという理由からであったけれど。元夫がいない時を見計らって、そう話してくれた。
しばらくは住民票の上で「未届けの妻」だったが、何かのきっかけで元夫が『世帯主になれば?』と言ったので、一軒の家に世帯主二人になった。元夫も本意ではなかっただろうけれど、私の意思を尊重(または放任)してくれていたと思う。
一つ心配だったのは、子どもが学校などで何か言われること。だけど、拍子抜けするぐらい何もなかった。保育園の時にちょっと質問されたかもしれない。学年始めの提出物に家族の名前を書くときちょっとドキドキするぐらいで、事実婚であることをほとんど忘れて暮らしていた。
今年子どもは二人とも無事就職したので、あとは結婚する時にそういうことを気にしない人を見つけてくれることを願うばかり。
出生率は大きな課題であり、これからはLGBTも受け入れていくしかないだろうに、家族の多様性は30年前から1mmも進んでいないことにあらためてがっかりした。