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Destiny

~Where are you now?~

親方からの電話の言葉の最初はこうだった。



「最近もときくん おかしくないですか?」



・・・・・・・え・・・・・・・・



・・・まぁそれはそうかもしれない。

仕事場で無視されたりしていて

普通でいるのは難しい。


母親は近日の息子との話を伝えた。


すると親方はこういった。


「いや、それはないですよ!

もときくんはよく働いてくれますし

仕事もよくやってくれてます。

期待している存在です。

なのでそのような事は全くないです。」



・・・・・・・・え


じゃあ息子と話したことは

息子が言ってたことはなんだろう

うそついても意味のないことだし

何の損得もない。


そして親方は電話で続けた


「最近おかしいと思ったのは

このクソ寒い中 一人暑いと言って

半袖姿で車の窓を全開開けて運転するんです。」


それは母親を更に驚かせた。


その他にもちょっとずれた行動を取ることがあったり

話を聞いてないような


今までにない様子を伝えられた。


母親の仕事中だったのと

お互いの本人に対する相違で

親方が 後で本人に連絡を取って

呼び出してみますと言ってくれた。


母親は賛同し、又連絡を約束し電話を切った。










二夜朝方まで話した翌日

息子は仕事を休んだ


仕方ないのかなと母親も思った


時間を置いたら又解決策もでるだろうと


休んだ日の夜仕事から帰宅した母親が様子を見ると

モンは布団の中で一点を見つめ

寝るでもなく

起きるでもなく


ただ一点を見つめている


それは


1時間たっても

3時間たっても同じだった


そこまで思い詰めるとはよっぽどだな、と

母親は思った。


翌日も仕事を休んだ。


その日に彼の親方から

母親の携帯に仕事中電話があった。


無断なのかな、、、

どっちにしろ 先にも後にも

連絡は取らねば、と思っていたので

母親はその時がきたと電話にでた。




だが

その内容は意外なものだった。













1988年2月3日22時過ぎ



モンは生まれた



初産にもかかわらず

病院に入ってからわずか4時間半余りで

元気に生まれた。



立ちあった・・・・・・・・

と、言っても

先生が来たと同時に生まれたようなもんだが

その先生の開口一発が



「お!大きいなぁ~ 三千・・・・八百g???」



さすが医師だけある。


わずかな差だった。



貧乏生活でろくな栄養も摂ってはずなのに

それほど大きく生まれてくれるとは

なんと親孝行であろうか



母親が初めて見て思ったのは


「・・・・・・・・・・猿じゃない・・・・・・・・・・」



だが 身体はさすがに紫がかっていて

あかちゃんさがにじみ出ていた。



次にあえたのは

翌朝の5時の最初の授乳だった。



祖母が心配していた母乳も

優しく接してくれた看護婦(今では看護師)さんや

助産婦さんのおかげで

必要以上によくでた。



母親は子供が生まれた実感を得られた。



かわいかった。



ただ 単に かわいかった。



親  とか   母   とか


そんな立場やらのリアルを省いて


ただ単純に かわいかった。



寒く  でも   とても 素敵な冬晴れな朝だったのを


母親は一生忘れることはないだろう。














年明け早々仕事が始まり


息子のモンも母親も通常通りの生活となった。



そんな通常が通常でなくなったのは

休みボケもままならない時だった。



モンが仕事から帰ってきて

夜 いつもと様子が違った。


母親に突然

「俺 仕事先で皆に無視されてるんだよね」


母親はしばし驚いた。


それはまさか息子が職場で無視されてるなんて


というよりも、

既にその仕事につき2年近く経ち

今の親方については数か月だが

引き抜かれたも同然で始めたのにもかかわらず

その状況の理解に苦しんだ。



が、 もしかしたら重い口を開いたのかもしれない

悩んでいたのかもしれない息子が

問いかけてるのを無には出来ないのは当たり前だった。


夜も更ける中 2人で長々と話した。


後から母親は思った。


そんなにも息子と仕事について

真剣に話したのが今まであっただろうか。


それ位 モンは明るくて楽しく仕事をこなしていた。


高校を中退してまでも自分で選んだ道だった。


母親は息子に高校を卒業してほしかった。


が、モンは勉強をしたくないと言った。


逃げ道だと母親は思ったが

楽しく仕事をこなし 時に自分以上に稼いでいる息子に

彼が選んだ道は間違いなかったのかもしれないと確信していたころだった。



息子は語った。


皆が無視している。


それは俺が仕事が出来ないからだ。


だから仕方がないけど無視されるのが辛い。




母親はやはり不思議に思いつつ


それなら親方とまず話して何がいけないのか

どうして無視されるのかを

話すべきではないのか、と息子に言った。


モンもそれを承諾した。



朝方まで話仕事が早い息子は寝ないに等しく仕事に行った。



そして翌日の夜も又母親からの促しにもより

話が始まったが

彼の結果は 同じように今日も無視されたという報告だった。


その日も朝方まで色々話した。









それは、年明け早々の



19歳の誕生日まで後1ヵ月という時に



人生を大きく変える出来事が起こった。




神様がいるのだろうか



いないのだろうか



もしいるとしたら 



神様はどんな試練を与えているのだろうか



裕福でもなく



平凡に生まれ育ち



一人目の長男なので 母親には厳しく育てられ



他人様に 危害を与えるべくも無く



普通に生きてきたのに



何故こんな運命を背負わなければならなくなったのか







それは 誰も知るすべも無い







運命は生まれたときから決まってるのか


いつ決まるのか・・・・・・・



誰が決めるのだろうか