人は必ずや死ぬ。
老衰、病気、事件、事故、戦争、テロ…様々な理由で死ぬけど、『自殺』だけは人間特有の死に方だと思う。災害時などでネズミが集団自殺する事例があるらしいけど、これはネズミの自由意思ではなく、ネズミのDNAにインプットされている一種の生理現象だ。つまりネズミが集団自殺するとき、そこにネズミの『死にたい』という自由意思はなく、『死ななければならない』という命令が行動の全てを支配してしまう。
つまり人間の自殺とはちと違う。人間の自殺には、意思がある。
さて、僕は今『死にたい』と思っている。実に冷静で落ち着いている。
以前は借金や人間関係、その他いろいろな事にホトホト疲れきって、うつ状態だった。
現在も自分を取り巻く環境はほとんど変わっていないが、1つ変わった事がある。
死に前向きになれた。
不思議な感覚だけど、今の気持ちを文字にするとこうなる。
以前は様々な事に悩み、自分を責め、他人を羨み、妬み、世間を憎んでいた。
なぜ自分ばかりこんな目に…
アイツが裏切らなければ…
などと、苦境に立たされている自分を他人のせいにしていた。
その考えが少しずつ変わってきた。
僕は以前、会社の社長だった。従業員を抱えバリバリ働いていた。約10年、突っ走り会社を大きく成長させ、僅かながら社会に貢献してきた。
しかし会社は倒産した。
それまで周りにいた仲間は皆、僕から離れて行った。家族も恋人も皆、遠くへ行ってしまった。
僕はそれを自分の責任だと認めたくなかった。運が悪かったとか、従業員がしっかり働かなかったとか、周りのせいにした。
しかし、それは大きな間違いだった。会社にとって大きな判断を全て僕がしてきたのだから、当然の話だ。
人間うまく人生が転がっているときは、なかなか慎重な行動ができない。
そして気がついた時にはすでに軌道修正することができず、失敗すると分かっていても自分の決めた道を突き進んでしまう。
そして実際に失敗する。
僕はよくあるこのパターンで会社を潰した。だから本来、誰も責めることは出来ない。しかし僕は周りを責めた。最低最悪の人間だ。
これじゃ人は離れる。誰も味方になんてなってくれない。ところが僕は独りぼっちになったとき、ホッとしてしまったのだ。
これじゃ誰も助けてくれないよ…。
