
▲枕草子の漫画
清少納言が書いた随筆枕草子
こんにちは。最近は古典のマンガ版にハマっております。
前々回は源氏物語、前回は和泉式部日記を漫画で読みました。
そして今回は「枕草子」を漫画で読んでみました。
平安時代の女性である清少納言によって書かれた随筆であり、日本三大随筆の一つに数えられます。残りは鴨長明の方丈記、吉田兼好の徒然草になります。
私も学生時代に紫式部は源氏物語を、清少納言は枕草子を書いたと暗記したことを思い出すのですが、作品の中身と内容については全く知らないのが現状です。
ところが大人になった今更に古典に対して興味がでてきたのです。しかし古文の原文を理解することはできませんし、現代語訳も大して面白くないと感じていたのですが、最近は日本の古典をわかりやすく漫画にした作品が多くあることを知ったのでした。
理想は原文、もしくは現代語訳を読みたいのですが、私も仕事をしながら古文を勉強する時間と熱意は持ち合わせいないもので、しかしせっかく古典に興味を持ったのですし、挫折するくらいなら敷居の低い漫画から古典に触れて、さらに興味を持つことができたなら現代語訳、次は原文と一歩ずつ前進する方が自分には合っていると思いました。
と言う訳で。清少納言の書いた枕草子についてブログにしてみます。

▲京都御所
清少納言の随筆とは。
実は枕草子を読む前に随筆って何?というレベルでして、随筆の意味を調べますと。随筆とは文学における一つの形式のことで、体験や読書などから得た知識をもとに、それに対する感想や思想をまとめた散文である。(ウィキペディアより引用)
ちなみにネットで「随筆」と検索すると「随筆とエッセイの違い」についてわかりやすく書かれていたサイトがありましたので、引用させて頂きますと。
随筆とは、本当にあった出来事の見聞や感想を自由に描いたもの。エッセイとは、出来事の描写ではなく、書き手のパーソナルな心の様子を描いたもの、告白的なものであるということだ。(引用元サイト:隠居系男子 「随筆」と「エッセイ」の違い)
そして日本における最初の随筆が清少納言の枕草子になります。
つまり枕草子とは平安時代に生きた清少納言の身の回りに起きた出来事のことや感想を描いた作品という訳ですね。源氏物語のフィクションではなく、枕草子はノンフィクション作品ということです。

▲京都御所
随筆枕草子には何が描かれているのか?
簡単に言うと、平安時代の当時の天皇である一条天皇の奥さんだった定子さんのお手伝いとして働く清少納言が、日常生活や四季や自然を観察して彼女が思ったことや言いたいこと、定子さんの身の回りで起きた出来事について書いたものです。
つまり紫式部の源氏物語のような小説では無く、清少納言の日記やブログの延長線にあるようなものです。
例えば学校の授業で聞いたことのある原文の一文を抜き出しますと。
春はあけぼの。
やうやう白くなりゆく山際、すこしあかりて紫だちたる雲のほそくたなびきたる。。。
この一文は単純に清少納言にとって春と言えばこれよっ!と春らしい美しい景色を描いた文章になります。現代語訳すると、
春と言えば、だんだんと日の出が近づくにつれて、山と空の境目あたりが明るく白くなっていき、紫色の雲がほそ~くたなびいて見える時こそ春の美しさを感じる瞬間よ!(^^)/

またイライラするものという項目がありまして、その内容をいくつか見てみると、
蚊がぷ~んと音を立てて顔の回り飛ぶこと、
お酒を飲んで大きな声を出して騒ぐこと、
人の噂話ばかりする人、
音をよく聞こうとした途端に泣き出す子供、
カラスがギャアギャア騒ぐこと等。。。
今も昔も大して変わらないようなことを挙げています。
清少納言が生きた平安時代と現代では科学技術の発展等、生活環境が大きく違うにも関わらず、人が何に美しさや怒りを感じるかという感性は大して変わっていないことを感じました。
枕草子 (ホーム社漫画文庫―NHKまんがで読む古典 (特5-1))/ホーム社

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枕草子の漫画
この度私が読んだ漫画作品は「NHK漫画で読む古典1 枕草子」でして、NHK総合テレビで昭和63年から平成元年にかけて放送された「漫画で読む古典・枕草子」をもとに、著者が独自に脚色し執筆したものになります。あとがきにて、著者がこの本の依頼を受けた際に初めて枕草子を通して読んだ際に、凄くハマったそうです。清少納言の鋭い感性によって生き生きと描かれた宮中の生活、中宮や貴公子たちとのスリリングな恋のかけひきに魅了された。
とおっしゃる勢いそのままに漫画にして頂きまして、私自身は読んでいてとても楽しめました。少女漫画の可愛らしく描かれる清少納言がとても生き生きしていまして、クスッと笑いながら読めました。是非とも枕草子を原文で読んでみたいと思いましたし、古典の中では敷居が低いのではないでしょうか?
古典に興味がでてきたのは良いのですが、高校生の時に真面目に古文の授業を受けて勉強していればと後悔する今日この頃です。笑