
▲通圓 店内で24代目の通園祐介さんがお茶を淹れてくれます。
京都のお茶の老舗と言えば
こんにちは。最近、会社の同僚の間で私が京都に詳しい?という噂が地味に広まっておりまして、お昼休みや飲み会の席で「京都のおススメの場所教えて?」と聞かれることに困っています。(^^;)
確かに細々と京都に関するブログを続けているので、京都のことは大好きです。でも「おススメを教えて」質問に答えるのは勇気が必要なんですよね。
何故なら私はおススメと思っている場所でも、相手にとっては「いまいち」だったり「微妙」な場合があるからです。わざわざ私が紹介した場所やお店に行って、相手にとっては「つまらない」場所や「不味い」お店だった場合は、私に聞かなければ良かったとか、「あいつセンスない」とか言われてしまいます。私が好きなものに相手の共感を得られなかった時はとってもショックです。まぁまぁ。そんなこと気にしていても仕方がない。人それぞれ好き嫌いや感性が違いますから、私は私、他人は他人、あくまでも私は好きなんです。あなたはあなたで判断してねってことで。(^-^)

▲通圓 店構え
ってな訳で。
今回は京都にあるお茶の老舗である通圓についてブログにしてみます。(実は2回目)
会社の同僚の一人にお茶好きがいまして、仕事の合間に
「京都のお茶の老舗で有名なお店ってどこですか?」と最近聞かれたんです。
私は茶道に興味はありながらも、一度も体験したことないレベルの人間なのですが彼の質問に答えました。
「京都の宇治にコカ・コーラの綾鷹とコラボしている上林春松本店、サントリーの伊右衛門茶とコラボしてる福寿園が有名だと思うー。」
「私個人的には通圓って言う老舗に行ったことがあって、茶葉を買ったことがあるし、もう一度行ってみたいと思ってるー。」
すると彼は「やっぱり宇治が有名なんですね」と一人納得した顔で仕事をし始めたのでした。
どうやら彼は夏休みに京都旅行を計画し、宇治にも行くつもりでいたらしい。
私はひっそりと心の中でお土産に通圓のお茶を買ってきてくれることを願った( ̄― ̄)ニヤリ

▲通圓店内に展示されている茶甕
京都の宇治には老舗茶舗がたくさん
京都府宇治市は宇治茶の生産地として全国的にも有名ですよね。宇治は昔からお茶の産地として発展してきた土地なので、歴史あるお茶の老舗が集まっています。コカ・コーラの綾鷹と協働している上林春松本店は創業450年、サントリーの伊右衛門と協働している福寿園は創業226年と歴史ある老舗が宇治にはあります。
そして通圓という創業856年も続く超老舗のお茶屋さんがあります。
歴史が一番長いから一番美味しいとは限りませんが、美味しいからこそ人々に856年も必要とされ続けているということでもあります。平安時代から子孫代々同じ場所で営業しているとのことで、せっかくなので通圓の歴史を調べてみました。

▲一休宗純作の初代通円像
通圓の歴史
10円玉に描かれている平等院鳳凰堂のすぐ横を流れる宇治川に架かる宇治橋のたもとに通圓はありまして、平安時代の西暦1160年に創業した老舗茶舗になります。歴史の教科書にも登場する人物達が通圓を訪れた記録が残っており、銀閣寺を建てた足利義政、戦国時代の武将である豊臣秀吉や徳川秀吉、千利休や一休さんこと一休宗純が通圓のお茶を愛好していました。初代から子孫代々お店は続き、現在は24代目の通円祐介さんがお店を継いでいます。初代通円は武士として宇治橋を守ることが役目の橋守という職に就いている傍ら、宇治橋を渡る人々にお茶を提供し始めたことがお茶屋通圓としての始まりになります。

▲店内で24代目に淹れて頂けた一杯
代々受け継いて来た通圓の味
通圓の店内では24代目が急須を使って淹れて頂いたお茶が試飲できるのですが、私はそのお茶の甘みとまろやかさに驚きました。お茶と言えばペットボトル茶という私は、通圓のお茶の味を知った時、今まで飲んできたお茶が同じお茶とは思えませんでした。そして身近なお茶には、まだまだ私の知らないことがたくさんあることを知りました。私なんかには、お茶の味はまだまだわかりませんが。。。
お茶屋さんには店ごとに味がありまして、甘味や苦みは数種類の茶葉をブレンドすることで、代々伝わるお店の味に仕立てることができるそうです。そしてお茶の味を作る人達は茶師と呼ばれ、24代目の通円祐介さんもその一人として伝統の味を守り続けています。
お茶の元である茶葉は毎年、天候によって味が変わるそうなのですが、通円さんは各地の茶畑を回り、葉の形や味を自分で確認して通圓の味を作る茶葉を仕入れているそうです。

▲通圓の外観
「忙しい忙しい」と仕事する毎日の中で、身近なお茶の本来の美味しさを知ると、なんだかほっとする気持ちを感じると同時に、便利なものを求めるあまり何か大事な価値をほったらかしにしているような悲しい気持ちを感じてしまいました。手作りの良さというか、本当に良いもの・良い価値って何なのか?と少し考えさせられます。

▲宇治橋と宇治川
通圓では主に茶葉を販売しており、隣接するお茶屋では抹茶やお団子、茶そば等の飲食ができます。ちなみに私個人的にはお団子や茶そばやアイスクリームはいまいちだと思います。あくまで私の感想としてですけど。(;^ω^)
宇治観光の際は、通圓に足を運んでみてはいかがでしょうか?