
▲常寂光寺 2015年11月21日訪問 ちょっと見頃には早かった。。。汗
こんにちは。
前回に続きまして1冊の本の読書感想文が続いております。笑
本の題名は「日本人にとって宗教って何だろう」武光誠著 です。
前回は日本に仏教が伝わった時代に仏教をどう受け入れたかを纏めました。
今回は仏教の中でも密教について整理しました。

▲日本人にとって宗教って何だろう 武光誠著
100%自分の頭の整理のためだけのブログになりますので、
興味のある方のみご覧くださいませ。汗

▲真言宗 東寺 五重の塔
密教という単語は大学受験の時に暗記した記憶があります。
平安時代に中国に留学した空海が密教を学び、日本で流行らせたとか、ないとか。。。笑
テストでは「空海=密教」と暗記すれば点が取れたので、私の密教の知識はそれだけです。
密教とは何なのか?
密教とは秘密の教え。
密教とは呪術によって願いを叶えるもの。
何やら怪しい響き。

▲天台宗 延暦寺
当時の人々は神様や仏様を大切に祀ることで、
自分達に良いことが返ってくることを期待する現世利益(げんぜりやく)の価値観でした。
そのため真面目に学問に努める僧侶よりも、
現実的な御利益をもたらしてくれる僧侶に人々は集まりました。笑
密教は祈禱によって病気治癒、安産、出世、雨乞い、平和等を叶えてくれるとされて、
当時の貴族達はこぞって空海の密教を求めました。
現代で言うよく当たる占い師にたくさんの女性が群がる感じに近いかもしれない。笑

▲真言宗 東寺 南大門
密教は個人の願いを叶えるだけでなく、
雨乞いや戦争平定等の国家レベルの願いも叶えるものとされました。
そのため皇室や貴族達から空海に祈禱の依頼が絶えないばかりでなく、
天皇の支持によって東寺という密教寺院が平安京に建設されて、
国家的祈禱は東寺に依頼されるようになり、東寺は繁栄しました。
そして現在も京都の顔として五重の塔が残っている。。。

▲天台宗 毘沙門堂
密教僧は人々の願いを叶えるために、呪力を身につけようと山に籠りました。
何故なら人々の心には仏教伝来以前より、
自然に対して神秘的な力を感じてきた精霊崇拝が根幹にあり、
山中で修業することで、山に住む神様や精霊達の力を借りようと考えたからでした。
そのため修行僧によって山岳寺院が建てられるようになりました。

▲真言宗 神護寺
空海が設立した真言宗の総本山、金剛峯寺は高野山に、
最澄が設立した天台宗の総本山、延暦寺は比叡山に建てられています。
空海と最澄も仏教僧である以前に、古来からの精霊崇拝を信仰していました。
2人とも山中で厳しい修行を積み、山の神から呪力を得ようとしました。
実際、延暦寺は山の神である比吉神社を、金剛峯寺は丹生明神という、
日本の神様を仏教の守り神として位置付けています。

▲曼殊院
また密教の祈禱は、日本古来の神様を祀る行為と似ている部分があり、
当時の人々は密教をすんなり受け入れることができたそうです。
野球選手が炎の近くで熱さに耐えながらお経を読む姿を想像してしまうけど。。。
祈禱の詳細については著書に記載がなかったので、今後調べてみたいです。笑

▲仁和寺境内にある神社
密教の登場で日本古来の精霊崇拝の上に仏教が溶け込むように、
神仏習合という神道と仏教が混ざり合った日本独特の信仰が生まれた。