今年に入っても株の調子は最悪ですね~。もう、具の根も出ません。
この週末、とっても憂鬱です。

働けど働けど・・・って言葉が頭の中で繰り返し連呼されます。
こ・これは・・・○○という症状ですよね。まずいなあ、ホント。

株式市場への個人の参加者がここ数年で増えているようですね。
ということは、当然同じような悩み(でもこれほどの人はなかなかいないと自負している)の人もいるわけで、時々そういった相談もあります。

先日も「今日は緊急の話があります」と奥さん同伴で受診された方がいました。
かなり切迫しているので『どうしましたか?』と問うと、「実は株で資産の○○分失いまして、先週それを確定しまして、・・・妻に話したところ・・・」とのこと。

こ・こ・これは深刻!とは思いましたが、『○○のところは遥かにこちらの方が勝っているぞ』なんてことを頭の中で考えてしまって、とっても複雑でした。
穏やかに、『借金をしてしまったわけではないし、これ以上資産を減らさないようにひとまずは撤退しましょう。やりきれない気持ちは痛いほどわかりますが...。』とお伝えしたのですが、これを言いながら、失礼ながら笑ってしまいそうで苦しかったです。

その人の不幸を笑ったわけでは決してありません。その人の姿に、自分自身を投影してしまい、『奥さんに白状したら、こうなるなあ』と考えた瞬間に、何ともいえない複雑な感情が湧きあがってきたのです。
にも拘らず、『ここで止められて良かったと思いましょう』などと、歯の浮くような言葉をよく言えたもんだと・・・。そんな自分がとても可笑しくて、場の雰囲気に合わない自分の反応を抑えるのに苦労しました。

「これだけしんどいことがありました」と言われて、『僕なんかそれ以上にしんどかったことあるよ。だから大丈夫だよ!』っていうのは、禁句です。誰だってそんなこと言われたくありませんものね。精神科医が自分の苦労話をしてどうするの?っていうところでしょうか...。

でも、一言言いたかったなあ。
『大丈夫ですよ。資産の○○分よりもっとたくさん溶かしてしまった人が目の前にいるんだから、自信を持ってね。奥さんもあまりナーバスにならないで下さいね。御本人は、今とっても苦しんでいるんですからね』ってね。

余計なことですが、この方の診察を終えて決意しました。
『自分の損失は絶対に嫁さんに話さないでおこう』・と・・・。