11月24日を手術予定日として、16日の診察から特に変化はなく、普通に仕事をこなしていた。

 

16日から始まった出血は量もそれほど増えず、常に生理初日くらい。

とはいえ私は元々生理痛が酷いし量も多い方なので、夜用ナプキンを常時していた。

困ったことといえば異常なまでに下痢になった程度。

 

上司には正直に全て話して、もしかしたら仕事中に出てきちゃうかも、ゴメンネ☆とやっておいた。上司も上司で、既婚だが子供がいないため、どう対応したら良いのかわからないから、とりあえず良き様に!よきにはからえ!といった具合。

むしろ他の部署にいる人生のお姉さま方(四十路やら五十路やら)に心配をかける羽目となる。

……妊娠自体、上司以外は各部の上の人にしか伝えていなかったが、まあ、田舎って広がるよネー。

 

そして22日。

いつものように出勤し、あれこれやる事が多くて走り回っていた。

多少血の量も多いかな、ちょっとだけお腹痛いかな、という程度だったのが午前中。

この時点で嫌な予感がした。

ついでに朝の時点で娘が、保育園に行きたくない、ママといると布団の中で泣いていたのも気になった。普段そういう言葉を全く言わないし、なんならママといたいなんて言って泣かない子だから(書いてて自分にダメージ)

 

夕方になり、腹痛が徐々に強まる。

既にお腹の子への影響もないのでと遠慮なく鎮痛剤を服用していたにも関わらず、痛い。

ただそこまで強烈な痛みでもなく、生理初日~二日目よりは遥かに軽いレベル。

※私の生理二日目は病院で麻酔を打ってもらうレベルです※

と言ってもトイレに行った時、5cmくらいのレバー状なものが出てきたので、これは今日中に胎芽?胎嚢?も出ると確信し、早退させてもらった。

 

連絡を受けた主人も慌てて帰宅し、娘を実母の家に届けてくれた。

トイレと布団を行ったり来たりしつつ、ネットで得た情報だととんでもなく激痛だとか、大量出血だとか書いてあったので戦々恐々となり、手術のラミナリアも激痛だって感想ばかりだったためちくしょー結局痛いんじゃないか、産んでも痛い、産まなくても痛い、女って損じゃのーと主人に愚痴る。

ポンチ主人、妻が怖いよー痛いよーと棒読みになっている間(実際そこまで痛くない)、YOUTUBEを見て笑い転げる。トイレの隙間から圧し切りたい衝動に駆られたが、とりあえずヘタリアを読んで気分を盛り上げる←

 

22日21時過ぎ、何度目かのトイレタイム。

ヘタリア片手に籠っていたら、痛みも前触れもなく『トゥルン☆』と何かが出た。ついでに私の『へっ?』という声も出た。

便器を見てもよくわからないため、ビニール手袋をはめて便器に突撃。

すくい上げると職場で見たレバー状のものに、白い勾玉みたいな形のものが混ざった塊だった。前情報では『ぶどうの皮を剥いたような感じ』とあったので、たぶんコイツが赤ちゃんの基だったものなのだろうと推測、病院へ連絡。

塊はちょっと便器の中で洗ってからジップロックMにイン。なんだか可愛い。

写メ撮るのを忘れる。後悔。ポンチ主人に見せようとしたら断られる。割とグロである。

 

22時、病院へ。

産婦人科病棟の陣痛室前が処置室。

タイミング良く、陣痛室は空だった。

いやもうなんていうか、縁起が悪いわけじゃないんだろうけど、なんていうか、もし陣痛室で頑張っている妊婦さんがいたら、勝手に申し訳ない気持ちになっていたと思う。

処置室に入ると初産でのラミナリア→バルーン攻撃が蘇ってちょっと震える。

 

明らかに寝巻なフード+スウェットの上に白衣を着た先生の姿を見て、いやもうすんませんお休みの時間帯に……と謝る。なんなら明日でも良かったんだが明日は祝日だからネ☆

総合病院だからか?産婦人科病棟の先生は外来の先生と別。

大変若くて、若干オネエ気味でありました。

診察もソフトタッチ。私エコーの器具入る時に『ちょっと器械入りますねぇ、3・2・1はい……」ってカウントされたの初めてですたわ。

 

診察の結果、本体は出たけど残留物があるとの事で

「ちょっと掻き出しますねぇ…あの、クスコ云々(小声で看護婦さんに指示している)」

恐れていたKUSUKO!クスコォォォォ!!

触診内診グリグリも怖いですが、クスコは本当に怖い。痛いのではなく、怖い。

そりゃそうか、普段閉じてるとこ開かれるんだから。

生理痛が酷くて受診した時もやったなぁ、そういや。

で、結論からいうとクスコじゃなくて鉗子が痛かったです。

これもネットの前情報であったヤツ…。

自然流産を狙う方は、波が三つあると覚えておくといいのかも。

”前レバー、中本体、後レバー”みたいな……。

掻き出されるというか、摘ままれている感じというか。

物凄く痛いというわけでなく、重苦しいというか、ズシン、ズシンと来る感じ。

とにかく診察台でラマーズ法。

なんで産むわけでもねぇのにヒッヒッフーしてんだろ私と思う事もなくフーフーしていた。

 

陣痛の時もそうだけれど、私はあのラマーズ法が全く意味をなさなかったんだよなぁ…。

ヒッヒッフーっていくらやっても痛みなんて逃げていかなかったもの。

それより『ぐぁぁぁぁぁぁっ!』って叫びつつ(喧しい妊婦であった)、小刻みな呼吸と、とにかく息を吐き出す事に集中していた方が楽だった。

出産は酸素を送り込む事が肝だと思うよね。母は赤ちゃんの産道を動かす装置だからさ。

酸素が電源だと。とにかくロボットの如く酸素を取り込んだのでありました。

 

だもんで、痛みを和らげるには呼吸法が一番手っ取り早いわけです。

緊張すると子宮口もキュッてなるからネ……。

お陰でネットからイメージしていたほどの激痛なんてのも全くなく、ちょい痛いレベルで終わりました。ちなみに私は痛みに滅法弱いです。外科の痛みには割合強いですが、内科の痛みに対してはスペランカー先生より弱いと確信しています。

 

そんな対スペランカー戦を終え(?)、先生からエコー写真を見せられる。

一枚目は空洞みたいに黒くなっている状態。

その黒い部分が残留物だったらしい。

「見たら子宮からちょっと出て来てたんで、出せるなぁと思って出しました」

との事。いやそれちょっと時間くれたら自然と出て来たんじゃないのかな?と聞きたかったが夜分に失礼している身なので黙って頷く。

二枚目はすっかりなーんにもない状態の子宮。

「ちょっと掻き出したぶん、出血してるので収縮剤出しますね」

出たよ収縮剤……!これもネットで見たよ!これが痛かったっていう人も多かったよ!!

と身構える。頭でっかちによくあるパターン。

最初は服用五日間と言われたけど、状態が良いので三日間でいいとの事。

ラッキーと思いながら先生と看護婦さんに頭を下げ、病院を後に。

 

この間、ポンチ主人は真っ暗な面会スペースで本を読んでいたらしい。怪しい人だ。

 

車内で上司に経過を連絡し、実母にも電話を入れて帰宅。

どっと疲れがきてそのまま就寝。

痛みはほとんどなく、グースカ寝た。

女性ホルモンが極端に少ない人間だからなのか、情が薄いからか、胎芽に対する母性はなかったようである。なんというか、彼の人にも「お疲れさん!」としか言葉が出なかった。

ただトイレで見た赤白の勾玉は、本当に可愛いものだった事だけは確かである。

写メの撮り忘れだけが悔やまれて仕方ない。